海外メディア「自民党、女性も会議に『ただし発言しないなら』」皮肉を交えて報道

幹部会議に女性議員が出席するという案が出されたが、発言権はなしの「見学」。国内外で批判の声が上がっている。
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二階俊博幹事長=2020年10月
時事通信社

自民党の二階俊博幹事長が、女性議員に党の幹部会議にオブザーバーとして参加してもらうことを役員連絡会などで提案した。しかし発言権がない「見学」であることについて、海外メディアも批判的な記事を掲載している。

BBCやロイターは、日本のジェンダーギャップ指数にも触れながら女性の政治参加が遅れていることなどを指摘した。  

 

ロイター「日本の与党、会議により多くの女性を招く。発言しない限り」

朝日新聞によると、二階幹事長は2月16日、役員連絡会で党の幹部会議に女性を5人程度ずつ、オブザーバーとして参加してもらうことを提案。ただ、あくまで「見学」にとどまり、発言権はないという。

その後開かれた記者会見で二階幹事長は「どういう議論がなされておるかを十分ご了解いただくことが大事。それをご覧に入れようということだ」と説明した。

この提案についてBBCは「日本の自民党、主要な会合で女性に『話さず、見る』ことを求める」とのタイトルで記事を掲載。

「日本の女性は長い間、政治や経済への参加から疎外されてきた」とし、ジェンダーギャップ指数が153カ国中121位であることや、自民党の12人の役員中女性は2人にとどまること、衆議院議員の女性割合が低いことも指摘している。

BBCの日本人レポーターは記事の中で「日本人女性として、カジュアルな性差別には残念ながら慣れている」「発言しない女性の会議への参加を認めるという与党の決定はよく知る戦術」と、日本で続く性差別を批判した。

ロイターは「日本の与党、会議により多くの女性を招く。ただし、発言しない限り」とした記事を掲載。

冒頭では「日本の与党である自民党は、長い間年配の男性たちのとりでと見られてきたが、今は重要な会議にもっと女性を参加させたいと考えているーー話をしないという条件で」と痛烈に批判。ジェンダーギャップ指数などを用いて、女性の政治参加や日本の現状を説明した。

幹部会議への女性のオブザーバー参加は、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長による女性蔑視発言が世界的な反発を受けたことによるものだと解説。ソーシャルメディア上や野党議員からも批判が上がっていると国内の反応も紹介している。