女性蔑視の発言で批判を浴びた、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長の森喜朗氏。組織委の理事や評議員らが集まった2月12日の合同懇談会で、辞意を表明した。
森氏は懇談会で、「不適切な発言でご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思っております」と謝罪した一方で、女性蔑視との批判に対して「解釈の仕方だと思う」「多少意図的な報道があった」などと不満を漏らした。
「女性をできるだけ称えてきた」
森氏は、懇談会で次のように発言した。
「会長である私が余計なことを申し上げたのか、これは解釈の仕方だと思うんですけれども、そう言うとまた悪口を書かれますけれども、私はそういう意図でものを言ったわけではないんだが、多少意図的な報道があったんだろうと思いますけれども、女性蔑視なんていうこと言われまして私はこの組織委員会に入ってから女性の皆さんをできるだけ称えてきましたし、男性よりも余計女性の皆さんに発言してもらえるように絶えず勧めていました」
「皆さんはなかなかお手をあげてお話にならない時がたくさんありましたけれども、あえてお名前まで申し上げてお誘いをして女性の皆さんに本当によく話をしていただいたと思っております」
国際オリンピック委員会(IOC)の指針「五輪アジェンダ2020」で、五輪参加者の男女比率を同等にする目標が示されていることに触れて、「ほとんどの競技団体にもこれをお願いして、ほぼ完璧な仕上がりができたなと思っております」と述べ、次のように続けた。
「そういうふうに私自身は女性を蔑視するとかそういう気持ちは毛頭ありませんし、これまでもいわゆる障害のある人ない人、みんな同じだよということで全て同じように扱って議論してまいりました。そういう意味でこの一言でこういうふうになったということは私自身の不注意もあったのかもしれませんが、長い83年の歴史の中で本当に情けないことを言ったもんだなと思って大変ご迷惑をおかけしました」
「老害」扱いは「極めて不愉快」
森氏に対し、ネット上では「老害」と批判する声もある。
これについて、森氏は「誰かが『老害、老害』と言いましたけれども、『年寄りは下がれ』というのはどうもいい言葉じゃない」と反論した。
「老人もやっぱり日本の国のために頑張ってきているわけですから、老人が悪いかのような表現をされることは極めて不愉快な話であります」と述べた。