日本時間今朝未明、SpaceXはStarship SN9の高高度打ち上げおよび着陸試験を実施しました。そして、今回の結末も爆発ENDでした。
本来なら先週、1月28日に実施するはずだったStarship SN9の打ち上げ試験ですが、直前の変更により米連邦航空局(FAA)の承認が出ず、1週間遅れでの実施となりました。SN9の脇には、すでに順番待ちの列についたSN10が(外観的には)完成しており、まるでSN9にはやくしろよと迫っているかのようです。
そして迎えたカウントダウン。SN9は無事にリフトオフし上空10kmまで上昇しました。ここでいったんロケットエンジンを停止し、姿勢を水平に転換。今度は落下モードに入ります。順調に高度を下げてくる銀色の物体を真下からとらえた映像はなかなかの迫力です。
そして、それが画面いっぱいになろうかというところで、SN9はRaptorエンジンに再点火、姿勢を垂直に戻そうとします。しかし何らかの不具合が起こっていたのか落下の勢いは止まらず、そのまま轟音とともにSN9は地面に激突~爆発するという、エキサイティングなエンディングを迎えました。
前回のSN8の時と同様、SpaceXはSN9の着陸が100%うまくいくとは想定していませんでした。SpaceXはいまやブースターを回収できて当たり前ともいえるほどになったFalcon 9の開発当時も、幾度となくロケットを地上に激突させ、海上に転落させてきました。
これは失敗も織り込み済みの開発体制とすることで、不具合点を早期に顕在化させ、結果的に開発を早めるやり方です。Starshipの場合も、複数の開発バージョンを並行して組み立てるラピッドプロトタイピング手法を採用し、それらを壊すことで、さらに開発を加速させ、SpaceXはいつかこの巨大ロケット兼宇宙船で、100人を超える飛行士や、または大量の荷物を一度に軌道、さらには月や火星へと送り込めるようにしたいと考えています。
Source:SpaceX(YouTube)
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