TikTok、12歳からの訴訟に直面と報じられる。TikTok「状況の把握と影響を検討している」

TikTokは「13歳未満は参加できない決まりであり、13歳未満が使用していると思われるアカウントは積極的に確認し削除している」と主張している。
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Jakub Porzycki/NurPhoto via Getty Images
Jakub Porzycki/NurPhoto via Getty Images

英国の12歳の少女が、動画共有サービスTikTokに対して法的措置を取ろうとしていると伝えられています。少女はTikTokおよびその前進アプリMusica.lyが、子どもたちに関するデータを英国およびEUの法律に反する形で収集、使用していると主張。また、自身に関するデータの削除も求めています。

英国の裁判所は、少女の身元が明らかになると他の子供やTikTokユーザーからのいじめなどに晒される危険性があると判断、少女の匿名を維持する決定を下しました。そのためこの訴訟では、チルドレンズ・コミッショナーであるアン・ロングフィールド氏がを代理人を努めています。チルドレンズ・コミッショナーとは、子どもに関する政策や決定について、子どもの権利、視点、利益を促進するため、子どもの代理人として行動する官職のこと。

ロングフィールド氏は、TikTokが子どもに関するデータを収集・分析して動画推薦アルゴリズムを最適化し視聴者の注意を惹きつけることで広告収入を最大化させていると述べています。

一方TikTokは、サービスにとってプライバシーと安全性が最優先事項であると述べ「特に若いユーザーを保護するための強力なポリシー、プロセス、テクノロジーを導入」しているとしました。13歳未満は参加できない決まりであり、13歳未満が使用していると思われるアカウントは積極的に確認し削除しているとのこと。

しかし、原告側弁護士は書類のなかで「利用規約には13歳未満のユーザーは使用できないと記載されているが、その年齢未満のユーザーが多数いることは明らか」で「特に、著名な『スター』の一部が13歳前後の年齢層にいて、サービスがアプリを利用している同世代の子供を対象としている」としました。さらにTikTokが処理する個人データは、ユーザーの名前、生年月日、場所、作成した写真やビデオそのものから、デバイス情報、IPアドレス、Facebookなどの接続アカウントからの情報、閲覧履歴、Cookieまで広範にわたると主張しています。

なお、訴訟は「ごく初期の段階」で、TikTokは訴訟申請に関する予告がなかったため「状況の把握と影響を検討している」最中だとしています。

ちなみにSNSやその他多くのサービスは年齢制限を設けており、TwitterLINEなども12~13歳未満の使用を禁止しています。またYouTubeも利用者は13歳以上でなければならないと規定しており、低年齢の子どもたちにはYouTube Kidsの使用を勧めています。

サービスが子どもをターゲットとして個人情報を収集しているかはともかく、判断能力がない子どもだけでのアプリ使用には、自ら個人情報を含む内容を投稿してしまう危険性が含まれます。過去には国内でも13歳未満の少女がTwitterを通じて出会った男に誘拐されるという事件が発生しています。子どもにSNSや動画サービスを使わせているご両親は、最低限、各サービスの年齢制限ぐらいは知っておくほうが良いでしょう。

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