新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、小池百合子都知事は12月21日に臨時会見を行った。
小池知事は「感染対策の実効性を高めるため、国には特措法の早期改正、そして水際対策の徹底を要望していく。収束してからの改正では遅い」と危機感をあらわに訴えた。
「年末年始の過ごし方によって、新しい1年が決まる」
都ではこの日、月曜日としては最多となる392人の新規感染者を確認。12月17日に「年末年始コロナ特別警報」を発令してからも感染拡大が止む気配はない。
会見で、小池氏は「今年の年末年始は、何よりも命を優先していただきたい。皆さんが大切にしておられる家族、周りの命、自らの人生を守っていただきたい。そして今年の年末年始は家族でステイホーム、是非ともご協力いただきたい」と不要不急の外出自粛を呼び掛けた。
続けて、現在の感染拡大傾向が4週間続くと、1日あたり1100人の新規陽性者が発生するという専門家の分析を紹介。医療提供体制についても改めて「逼迫している」と危機感を示した。
さらに、「この年末年始は特別です。この年末年始の過ごし方によって、新しい1年が決まる。そう言っても過言ではありません」と強調。
「特に寒さが厳しい年末年始の忘年会や新年会は、新型コロナウイルスにとって感染拡大の絶好の機会となりましょう。あの静かなお正月があったからこそ、あの静かな年末年始があったからこそ、2021年を穏やかに過ごすことができた。そう思えるような年末年始にして参りましょう」と感情を込めて訴えた。
「国のあり方考えなくては」
新型コロナウイルスの特別措置法についても「地方自治体の条例は国の法律を超えることはできない」として、「今の特措法はインフルエンザの特措法の最後につけたもの。大変古いものがベースとなっている。収束してからではなく、できるだけ早く改正して効果のあるものにしていただきたい」と訴えた。
特措法をめぐっては、全国知事会が12月20日、休業や営業時間短縮の要請について順守義務や違反した場合の罰則などを盛り込んだ法改正を提言する方針を決定している。
小池氏は「ワクチンが開発されたとはいえ、日本では接種開始は2月と言われている。(特措法を)強制力を伴うような形にしないと、接種開始まで持つにはどうすればいいのか」と指摘。
「同時に、命を守るという点では、コロナで亡くなる方と経済で苦しむ方とこの両方を考えるのが必要。バランス取るのは難しいが、2つをベースに進めないといけない」と言葉を続け、「国のあり方としてどうするか考えていかなくてはいけない」と訴えた。
会見では、逼迫している医療提供体制を強化するための対策も発表した。
入院患者を受け入れる医療機関に対し、重症者1人につき1日30万円、軽症・中等症者1人につき1日7万円の支援金を支払うなどとしている。
また、医療従事者に感謝を伝えるため、都内の小中学生に「感謝のお手紙」を送ることを呼びかけた。