落語家の林家こん平さんが12月17日、誤嚥(ごえん)性肺炎のため亡くなったことがわかった。77歳だった。落語協会が21日、発表した。
テレビ番組「笑点」の解答者として知られ、「1、2、3、チャラーン!」の元気いっぱいの挨拶などで親しまれた。
「1、2、3、チャラーン!」の挨拶が代名詞
林家こん平さん(本名:笠井光男さん)は、1943年3月12日新潟県生まれ。
1958年に上京し、故・林家三平さんに弟子入りした。
こん平さんが一躍お茶の間の人気者となったのは、日本テレビ系の演芸番組「笑点」だ。1966年の初回放送から大喜利の解答者として出演し、明るく愉快な人柄が人気を博した。愛称は「こんちゃん」。
「1、2、3」とカウントしたあと、「チャラーン!」と観客とともに叫ぶ挨拶はこん平さんの代名詞となり、一世を風靡した。
2004年8月に体調を崩し、同番組を休養。朝日新聞などによると、当初は「声帯結節」と診断されたが、その後難病の「多発性硬化症」を患っていることがわかったという。多発性硬化症は、免疫細胞が脳や脊髄といった中枢神経系に炎症を起こし、手足のしびれや視力の低下などの神経症状が起きる病気だ。
2013年には一時、心肺停止の状態にも陥ったという。
自殺予防の啓発イベントにも登壇していた
発病後も懸命なリハビリに励み、イベントなどの公の場でも度々姿を見せていた。
2016年には、新潟県の自殺予防キャンペーンのイベントに参加した。
こん平さんの次女によると、病気の発症後、絶望からうつ状態になったこともあるという。自殺予防の問題意識から啓発イベントに参加し、落語絵本の読み聞かせを行った。
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多くの人に愛されたこん平さんの訃報に、悲しみの声が広がっている。