前東京都知事の舛添要一氏は12月20日、公式Twitterを更新し、自身のYouTubeチャンネルのフォロワーに女性が少ない理由について「政治の話ばかりだからでしょう」と推測する投稿をした。
これに対し、「何故かは自明」「『女は政治に興味がない』という思考回路だから」と批判があがっている。
同日放送された報道情報番組『ABEMA的ニュースショー』(ABEMA)に出演した舛添氏は、共演した人気YouTuberのねお氏の投稿を引用するかたちで「私のYouTube、実はフォロワーの99%が男性、女性は1%のみ。政治の話ばかりだからでしょう」と投稿。
ねお氏からは、ルーティン(生活スタイルなどを収めた動画)を流すようアドバイスを受けたと報告した。
舛添氏のYouTubeチャンネル『舛添要一、世界と日本を語る』は、舛添氏が「中学生でも分かるように、平易な言葉で、簡潔に」日々の事象の背景について語るというもの。12月21日午前11時現在の登録者数は5110人となっている。
「女性は政治に興味がない」と言わんばかりの舛添氏の投稿に対し、「女性差別だ」と批判する声が多数上がっている。
「根底にある女性蔑視思想を含めて、自分を客観的に見直すべきでは」
「女性フォロワーが少ないのは、発言に女性は政治の話に興味ないとか決めつける差別意識が滲み出てるからじゃないですか」
「女性です。政治に大いに関心あります」
「女は政治に興味がない」は本当か?
博報堂生活総研が2年に1度行っている定点調査によると、2020年に「日本の政治・経済に関心がある」と回答した女性は44.6%で、男性より19ポイント低い。
舛添氏のフォロワーの男女比ほど極端ではないが、政治への関心は女性の方が男性より低いというのは事実だ。
だが、実際の政治の現場に目を向けると、女性の国会議員の割合は衆議院9.9%、参議員22.9%。男女格差の大きさを国別に比較したジェンダーギャップ指数では、日本は153カ国中121位(2019年)で、政治分野に限れば144位。政治の意思決定の場で女性の意見が反映されているとは言えず、そもそも女性が政治に関心を持ちにくい現実がある。
こうした状況を改善しようと、2018年には選挙で男女の候補者数をできる限り均等にするよう政党に努力義務を課す「候補者男女均等法」も施行されたが、実現には程遠い。
日本財団が11月に1万人の女性を対象に行ったアンケート調査では、女性の政界進出が進まない原因に「『政治は男のもの』という世の中の価値観」など性別役割分担意識を挙げる回答が、「政治に関する女性の関心の低さ」を大きく上回っている。
女性の政治参画や「政治は男のもの」という意識の変化をどう促すかは、すでに社会テーマとなって久しいが、舛添氏の投稿からは女性が政治に関心が薄いように見える事象の背景についての説明や理解はうかがえなかった。