デンマーク議会は12月17日、同意がない性行為を犯罪とする法律を可決した。ヨーロッパでは、同様の法改正の動きが進んでいる。
ニューヨーク・タイムズによると、デンマークの従来の法律では、性的暴行の罪に問う場合、加害者から暴行・脅迫があったことや、被害者が抵抗できない状態だったことを検察側が立証する必要があった。
今回の法成立により、性的暴行の定義を拡大することになる。国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル」の公式サイトによると、デンマークでは毎年約1万1400人の女性がレイプまたはレイプ未遂の被害に遭っている。一方で、2019年に警察に報告されたレイプ被害は1017件で、有罪判決を受けたのは79件にとどまった。
ガーディアンによると、今回の法律は2021年1月1日に施行される予定。デンマークのニック・ヘケロップ法相は声明で、「両方の当事者が性行為に同意しない場合、それがレイプだということが明確になります」と述べている。
法改正、欧州で広がる
「同意のない性行為はレイプ」とする動きは、海外で広がり始めている。
アムネスティ・インターナショナルによると、同意なしの性行為をレイプとして認めたのは、ヨーロッパではデンマークが12番目の国になった。
スウェーデンは2018年に刑法を改正し、相手の「イエス」という自主性を確認できなければレイプとした。同国での性的暴行の有罪判決は、改正前に比べて75%増加した。
日本でも法改正の議論が続いている。
性犯罪に関する刑法改正を議論する法務省の検討会では、強制性交等罪の「暴行・脅迫」要件の撤廃などが話し合われている。性暴力被害の当事者や支援者などからは、不同意性交を犯罪と認めるよう訴える声が上がっている。
(國崎万智@machiruda0702/ハフポスト日本版)