「親が単身赴任中」と聞いた時、想像するのは父親? それとも母親?
アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)をめぐる連合のオンライン調査では、「『親が単身赴任中』というと、父親を想像する(母親を想像しない)」と回答した人が男女ともに66%にのぼることがわかった。
連合が2020年6月~11月、組合員らを対象に行ったオンラインアンケート(有効回答数50871)。
年齢や性差、障害の有無などによるアンコンシャス・バイアスについて尋ねたところ、95.5%がなんらかのアンコンシャス・バイアスを認識したことがあった。
アンコンシャス・バイアスとは?
アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)とは、無意識に思いこんだり、偏ったものの見方をしてしまうこと。これまでに経験したり見聞きしたりしたことに照らし合わせて脳が勝手に判断してしまう。
調査を監修した一般社団法人「アンコンシャスバイアス研究所」によると、アンコンシャス・バイアスは、それ自体が悪いわけではなく、日常にあふれ、誰にでもあるもの。気がつかないうちに「決めつけ」たり「押しつけ」たりしないよう、自分が持つアンコンシャス・バイアスに気づくことが大事だという。
「単身赴任=男性」という思い込みが多かった結果について、守屋智敬代表理事は「単身赴任者に男性が多いという事実が、回答結果に影響を及ぼしているかもしれません」とした上で、こう指摘する。
「『なんで母親なのに、単身赴任なの?子どもがかわいそう』といったひと言に、傷ついている人もいるかもしれません。真の多様性ある職場づくりに大切なことは、『これまでに見聞きしてきた100人はそうでも、101人目は違うかもしれない』といったように、101人目に思いを寄せられるかどうかです」
「高齢者は融通が効かない」は本当?
一方、年代別の回答に目を向けると、若者ほど自分の持つアンコンシャス・バイアスに無意識であるという可能性も浮かんだ。
「年配(高齢者)の人は頭が堅く、多様な働き方への融通が利かないと思ってしまう」と回答したのは、若者層(10〜30代)では37.6%で、中高年層(40代以上)を9.2ポイント上回った。
しかし、実際には若年層の方が中高年層より多い割合で回答したアンコンシャス・バイアスに関する設問は20項目のうち10項目。
「お茶出し、受付対応、事務職、保育士というと、女性を思い浮かべる」と回答した人の割合も、中高年層より6.2ポイント高かった。