草津の黒岩信忠町長が日本外国特派員協会で会見へ。元町議の性被害告発とリコールめぐり、海外でも厳しい報道

海外では、日本の政治の場や職場などにはびこる男女格差を厳しい報道が相次いでいる。会見は日本外国特派員協会からの申し入れで行われ、ライブ配信される。
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草津温泉
kazuma seki via Getty Images

群馬県草津町で町長からの性被害を訴えた新井祥子町議が住民投票の結果失職した問題で、黒岩信忠町長が12月14日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見を行う。

町によると、会見は日本外国特派員協会からの申し入れで行われるという。

会見は公式YouTubeでライブ配信される。

一連の問題をめぐっては、海外からも日本の政治の場や職場などにはびこる男女格差を厳しい報道が相次いでいる。

ニューヨークタイムズは「日本で性暴力被害を告発する女性が直面する困難を浮き彫りにしている」と問題が草津に限ったものではないとした上で、「日本では、こうした被害を訴え出ることは極めて少なく、オープンに議論されることはめったにない」と報道。

ガーディアンは、「彼女(新井氏)の苦境は、日本の地方や国の政治における男性支配(の実態)を浮き彫りにした」と伝えた。

 

経緯① セクハラ告発 ⇒ 町長は否定、訴訟に

発端は、2019年に草津町議の新井祥子氏が性被害を告発したことだった。

新井氏は、黒岩町長から2015年1月に、町長室で性被害に遭ったことを告白。黒岩町長は事実無根だと否定し、新井氏らを名誉毀損の疑いで刑事告訴。民事訴訟でも争っている

 

 

経緯② 町議会の除名処分、県が取り消し

町議会は2019年12月、新井氏に対して「言論の品位に欠ける」として、除名処分にした。

一方、新井氏は除名処分の取り消しを求めて群馬県に審決を申請。県は2020年8月、「議員の議場外の行為で、懲罰の事由にならない」などとして処分を「違法」と認定し、町議会の処分を取り消した。

県の審決を不服として、町議らは住民投票制度に基づき新井氏のリコールを目指して署名運動をスタートさせた。町の有権者の3分の1を超える3180人の署名が集まったことから、解職の賛否を問う住民投票が12月6日に実施された。

 

開票の結果、解職に「賛成」は2542票、「反対」は208票となり、賛成が有効投票の過半数を占めた。これを受け、新井氏は即日失職した。当日有権者数は5283人で、投票率は53・66%だった。