村上春樹氏の小説が電子書籍化...!自宅で過ごす年末年始にぴったりの8作品『海辺のカフカ』『1Q84』など

長編小説5作品はそれぞれの「合本版」も12月18日より配信。文庫で2~6冊にもなる長編を、コンパクトに携帯できるのは電子書籍ならでは。
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棚に並ぶ村上春樹氏の本=東京都新宿区の紀伊国屋書店新宿本店(2017年10月5日)
時事通信社

村上春樹氏の小説8作が電子書籍化 『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』など

    新潮社は11日、これまで電子化されていなかった村上春樹氏の小説8作品を、18日から一斉に電子書籍化すると発表した。

 今回配信される長編作品は、若き著者が取り組んだ幻想と冒険が交錯する渾身の長編小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、英訳されて村上春樹の名を世界に知らしめた壮大な物語『ねじまき鳥クロニクル』、15歳の少年を主人公にその柔らかい魂の旅を描き、村上ファンから熱い支持を受け続ける『海辺のカフカ』、そして社会現象ともなり、3巻すべてがミリオンセラーとなった青豆と天吾の愛の物語『1Q84』BOOK1~BOOK3、さらには謎と暗喩に満ちたある画家の運命的な物語『騎士団長殺し』。

 短編集3作も強力で『螢・納屋を焼く・その他の短編』に収録される「螢」は、名作『ノルウェイの森』の一部となった重要な短編であり、「納屋を焼く」も映画化されて、読み継がれてきた。『神の子どもたちはみな踊る』は神戸で育った著者が、阪神淡路大震災への鎮魂の思いをこめて描いた連作。中でも「かえるくん、東京を救う」は、海外できわめて高い評価を受ける短編の一つです。また『東京奇譚集』も、映画化された「ハナレイ・ベイ」や「偶然の旅人」「品川猿」など、村上的世界が横溢する名短編5編が並んでいる。

 今回、長編小説5作品はそれぞれの「合本版」も同日より配信。文庫で2~6冊にもなる長編を、コンパクトに携帯できるのは電子書籍ならでは。8タイトル計25点の電子版は、自宅で過ごすことが多くなりそうなこの年末年始の読書にぴったりとなりそうだ。

■電子化対象作品(※すべて新潮文庫)
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(上・下)
『ねじまき鳥クロニクル』(第1部 泥棒かささぎ編、第2部 予言する鳥編、第3部 鳥刺し男編)
『海辺のカフカ』(上・下)
『1Q84』(BOOK1〈4月-6月〉前編・後編、BOOK2〈7月-9月〉前編・後編、BOOK3〈10月-12月〉前編・後編)
『騎士団長殺し』(第1部 顕れるイデア編上・下、第2部 遷ろうメタファー編上・下)+上記5作品の合本版
『螢・納屋を焼く・その他の短編』
『神の子どもたちはみな踊る』
『東京奇譚集』

【村上春樹】1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1979年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』(ニューヨーク・タイムズThe 10 Best Books of 2005に選出)、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』、『騎士団長殺し』がある。『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』などの短編小説集、『村上春樹 雑文集』『ポートレイト・イン・ジャズ』等のエッセイ集、『辺境・近境』等の紀行文、カーヴァー、サリンジャー、カポーティ、フィッツジェラルドの翻訳作品など著書・訳書多数。

海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、スペイン芸術文学勲章、2011年カタルーニャ国際賞、2014年ヴェルト文学賞(ドイツ)、2016年ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞を受賞。最新長編は、『騎士団長殺し』(第1部 顕れるイデア編上・下、第2部 遷ろうメタファー編上・下)。

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