アメリカ・ユタ州南東の砂漠で見つかり、突然に消えた謎の金属柱 “モノリス”を撤去したのは、4人の人間の男性だったようだ。スラックライナーでパフォーマーのアンディ・ルイス氏がYouTubeで「我々のグループがユタのモノリスを撤去した」と23秒の動画を公表した。
スタンリー・キューブリック監督の1968年の映画『2001年宇宙の旅』に出てくるモノリスに似ているとして、誰が何の目的で設置し、撤去したのかが話題となっていた。
撤去の現場を目撃した冒険写真家のロス・バーナーズ氏のインスタグラムによると、現地時間で11月27日の夜、バーナーズ氏は友人3人とモノリスが設置されていた砂漠を訪れたという。
モノリスには先客がいたが、バーナーズ氏の一行が到着して間もなく現場を去っていった。バーナーズ氏らは、その後約1時間40分ほどは誰にも邪魔されずにモノリスを堪能した。
インスタグラムには、月光とドローンのライトを利用し、モノリスの頂上で満点の星空から差し込む強い光を受け止めているような神秘的な写真が投稿されている。
午後8時40分、一通りの撮影を終えて休憩していると、峡谷から声が聞こえてきたという。
バーナーズ氏らは「彼らが私たちと同じように、自分たちだけでモノリスを楽しむことができるように」と考え、その場を離れる準備を始めようとした。
すると、到着した4人の男性はモノリスを数回押し、傾いて地面に横転したモノリスを解体。解体したモノリスは、手押し車に乗せて運び出したという。
わずか8分ほどの作業中、男性グループの1人がバーナーズ氏らに「写真を撮っておけば?」と促したという。
作業中の様子捉えた写真には、中が空洞となっているモノリスの内側の様子も写っている。
男性らは「砂漠にゴミを残さないためだ」「Leave no trace(痕跡を残すな)」と語っていたという。「Leave no trace」は自然保護を呼びかける時に使われる言葉だ。
バーナーズ氏の投稿後、アンディ・ルイス氏は、FacebookとYouTubeで「我々のグループがユタのモノリスを撤去した」と23秒の動画を公表した。現時点ではこの動画以外に何らかのコメントや情報は提供しないとしている。
バーナーズ氏は「なぜ私たちが彼らを止めなかったのかと疑問に思う人もいるかもしれない。彼らがモノリスを撤去するのは正しいからだ」とコメントしている。
モノリスが話題になった後、Googleアースなどを使って場所を突き止めた人たちがモノリスを見ようと現地に押しかけていた。バーナーズ氏らが訪れていた際にも、少なくとも70台の車と飛行機が出入りしていたといい、砂漠のあちこちに駐車されている様子がうかがえる。
バーナーズ氏は「母なる自然は芸術家であり、その芸術は自然に任せた方が良い」とつづっている。