韓国・ロッテマートで予備盲導犬の入店を拒否したとして非難が殺到し、同社が謝罪する事態となった。盲導犬は、実践を前に一般家庭に委託されて訓練を受ける1年間の「パピーウォーキング」の最中だった。
論争は、あるネットユーザーが「マネージャーらしき職員が盲導犬の入場を妨げた」と目撃談をSNSに投稿したことで始まった。
その内容は「入り口で承認を受けて入ったが、(マネージャーが)いきなり『障がい者でもないのに子犬を連れてきてどうするんだ』と言って喧嘩になった」というもの。さらに「子犬を連れてきた女性は泣いていた。途中で問題が発生したのであれば、丁寧に案内してあげるべきではないか」と指摘した。
また、「(盲導犬は)教育中だったが、このような場所に(訓練で)行ってこそ、実践でも問題なく活動できるのではないか」と嘆いた。
添えられた写真では、子犬が「盲導犬 勉強中です」と書かれているチョッキを着ている。子犬は、不安がるような表情をしているようにも見えた。
韓国の障がい者福祉法第40条では、補助犬表示をつけた障がい者補助犬を同伴した障がい者が公共の場など人が集まる場所に出入りした場合、正当な理由なく拒否してはいけないと定められている。これは補助犬の訓練者はもちろん、ボランティアが補助犬を同伴した際も同じく適用され、正当な理由なしに拒否した場合、300万ウォン(約28万円)以下の過料が課せられる。
この事実が指摘されると、ロッテマートに対する批判が広がった。
ロッテマートが謝罪文を掲載
ロッテマートは11月30日、公式インスタグラムを通じて「ロッテマート蚕室店に来訪したパピーウォーカーと同伴顧客への応対で、飼い主様に配慮できなかった点を認め、頭を下げてお詫びいたします」と陳謝した。
続けて「これを契機に、ロッテマートは障がい者盲導犬だけではく、パピーウォーカーに対する指針または現場での認識を明確にし、同じ事例が発生しないよう積極的に対処することを約束いたします」と述べている。
謝罪文の公表前、ロッテマートの関係者はMoneySの取材に匿名で「盲導犬の入場の制限はしていない。盲導犬が売り場内で大小便をするなどの混乱があり、売り場関係者が話している最中に怒ってしまった」と明かしていた。
MoneySによると韓国国内で「ロッテ」ブランドは日本企業とのイメージがある。2019年、同社は日本製品に対する不買運動に直面しており、この問題が消えていない状況で、再び不買運動が起こる状況になっている。