3000年〜5000年前に生息していたとみられるクジラの骨格が、タイで見つかった。骨格はほぼ完全な状態で発見された。
BBCによると、クジラの骨は11月初旬、タイのサムットサーコーン県で、海岸から約12キロ離れた場所で見つかった。「ニタリクジラ」の仲間の骨と考えられている。
Nation Thailandなどによると、見つかったクジラの骨格は全長約12メートルで、頭蓋骨は3メートル。つい骨、ろっ骨、肩甲骨、左ひれなども見つかり、骨格の8割以上が回収されたという。
シンガポール国立大学の哺乳類研究者であるマーカス・チュア氏は、BBCの取材に、「部分的に化石化したクジラの骨格がアジアで見つかることはまれで、このように良好な状態にあるケースはさらに珍しい」と語っている。
タイの天然資源・環境相ワラウット・シラパアーチャー氏がFacebookで共有したクジラの骨の写真からは、骨格がほぼ完全な状態で残っていることが分かる。
チュア氏は、クジラの骨が「海面の推定や堆積物の種類、当時の生物群集など古生物学的・地質学的な条件に関する情報も提供している」として、今回の発見が「クジラがたどってきた過去につながる窓」だと話している。
正確な年代を把握するため、骸骨は放射性炭素年代測定されるという。