11月27日は、「ブラックフライデー」だ。アメリカの感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日に開催される大セールで、1年で最も店が繁盛する日と言われる。
日本でもブラックフライデーを導入する企業も増えているが、海外では、逆にこの大セールを「ボイコット」する企業の動きもある。
ブラックフライデーとは?
ブラックフライデーは、年末商戦の皮切りとなる日で、2019年のオンラインでの売上高は合計74億ドル(約7697億円)。2018年よりも約20%増加した。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で小売業者が打撃を受けたため、多くの企業がブラックフライデーを回復のチャンスと見ている。
ブラックフライデーが物議をかもす理由
しかし、今ではしばしば1週間以上続く「ブラックフライデー」セールは、物議を醸している。
なぜなのか?
一つが、過剰な消費を促すことへの懸念だ。
専門家は、買い物客を狂乱に巻き込み、必要のないものに貴重なお金を散財するよう誘惑するブランドを批判している。新型コロナのパンデミックは、アメリカに住む多くの人をこれまで以上に危険な財政状態に陥らせた。
また、大量消費・大量廃棄による環境破壊に反対する声も強い。
衣料メーカーが生み出す大量の廃棄物は深刻な問題で、ファッション業界は世界の温室効果ガスの8%を排出していると推定されている。
新型コロナの感染拡大はこの問題をさらに浮き彫りにした。
ロックダウン中に衣料品の需要が低下したため、大手ファッションブランドは大量の在庫を抱えることになった。さらに、海外のサプライヤー工場に数十億ドルを支払うことを拒否し、現地の労働者に危機的な状況をもたらした。
ブラックフライデーを「ボイコット」する企業たち
ブラックフライデーに参加しない企業も増えてきている。
アメリカのスニーカーブランド「Allbirds(オールバーズ)」は、ブラックフライデーに値下げをするのではなく、逆に「価格を上げる」というキャンペーンを行っている。
すべての商品を1ドル値上げし、集まった余分のお金は、スウェーデンの気候活動家グレタ・トゥーンベリさんが設立した気候変動運動「フライデー・フォー・フューチャー」に全額寄付するという。
Allbirdsの広報担当者は、ハフポストUS版の取材に対し、「わずかな値上げによって、ファッション業界が直面しているより大きな環境問題についての会話が活発になることを願っています」と答えた。
バッグメーカーの「FREITAG(フライターグ)」は、ブラックフライデーの日は、オンラインストアを終日閉鎖する。
サイトにアクセスする人は、代わりにFREITAGのバッグ交換プラットホーム「S.W.A.P.」にリダイレクトされる。不要になった使用済みバッグを他の人と交換するよう促すのだという。
IKEAは初の「買取キャンペーン」を実施
ブラックフライデーを「ボイコット」するのは、多くの場合、中小企業だ。しかし、いくつかの大企業もこの動きに賛同している。
アウトドア小売業者の「REI」は、6年連続でブラックフライデー当日は休業し、1万3000人の従業員に有給休暇を与え、家族と一緒に自然の中で過ごすことを奨励している。
スウェーデンの家具ブランド「IKEA(イケア)」は、「今年のブラックフライデー、私たちは少し環境に優しいことをします」と宣言。
世界27ヶ国で不要になった家具を買い取るキャンペーンを実施する。アメリカは対象ではないが、日本では11月26日から12月6日まで「サステナブルウィーク」と称した買い取りが行われる。
家具買い取りのキャンペーンを実施するのは、創業以来初めてという。