覆面ストリートアーティストのバンクシーが10月にイギリス・ノッティンガムの街中に制作した作品の一部だった自転車が、11月22日までに消えた。BBCなどが伝えた。
作品は10月13日に現れた。美容室の外壁に自転車のタイヤでフラフープをする女の子の絵が描かれ、その脇にあるポールに後輪やサドルのない自転車がつながれていた。自転車は女の子の絵と同時に現れたという。
バンクシーは公式インスタグラムで10月17日に作品を紹介。BBCによると、反響が大きく、観光客が列をなしたという。地元議会は透明なカバーで作品を保護したものの、少なくとも2度、スプレーペイントの標的にされた。警察や地元議会は、撤去についての連絡は受けていないという。
ガーディアンは、「自転車は週末に盗まれたようだ」と窃盗の可能性があるとする。地元では「作品を破壊したいと考える人がいるのは本当に残念。一体何のために?」「感染が広がる中、バンクシーから贈り物をもらったような気がしていた。それが奪われた」など、怒りと悲しみが広がっている。
どんな意図の作品だった?
BBCはこの作品の意図について、バンクシーの専門家であるボーンマス大学のポール・ゴフ教授のコメントを掲載。「最新の4、5作品は全て、コロナやそのほかのニュースに関連しています」とし、「私たちは今、困難な時期にある。そのことを最大限に利用して、壊れたものを楽しんでみましょう。おそらくそんなメッセージが込められているのでは」と語ったとしている。