中国の複数の都市で新型コロナウイルスの感染者が相次いで見つかっていることに対して、中国疾病予防管理センターの専門家は11月21日、「中国で再び大規模流行が発生することはあり得ない」と対策に自信を示した。
中国・衛生健康委員会の発表によると、11月21日には中国本土で17人の感染者が確認された。うち14例は輸入症例だが、内モンゴル自治区で2人、上海市で1人が市中で感染したとみられている。
その前日の20日には天津市で5人、上海市で2人と、国内の複数都市で輸入症例ではない新規感染者が見つかっている。
こうした状況に対し、中国疾病予防管理センターの呉尊友(ご・そんゆう)・疫学主席専門家は21日、国営放送CCTVのインタビューに対し「このところ、多くの場所で新規感染者が見つかっているが、大規模な流行が再び起こり得るのかというと、私個人はあり得ないと考えている」と自信を示した。
その理由として「我々はすでにウイルスの感染拡大の特徴を掴んでおり、感染を見つけ次第すぐに抑え込む戦略を取っている。この先も少数の新規感染者が見つかるだろうが、大規模な流行にならない」と話した。
呉氏がこのような認識を示したのは、複数都市で新規感染者が見つかっているのに対し、民衆の不安を取り除く狙いがあるとみられる。
中国では、新型コロナの感染者が見つかった場合、すぐに濃厚接触者らを隔離し、大規模なPCR検査を実施する戦略をとっている。感染源とみられる場所に立ち寄った人を特定するために、スマホの位置情報などが利用されているとみられる。