訃報が報じられた英スコットランドの俳優ショーン・コネリーさんは、初代ジェームズ・ボンドとして、54年前に日本を訪れていた。
シリーズ第5作目「007は二度死ぬ」は日本が舞台。
日本各地でロケが行なわれ、コネリーさん一行が全国をまわった。
その主要ロケ地の一つが、鹿児島県南さつま市坊津町秋目だった。
漁村であるこの地で、コネリーさんが漁夫に扮して、海女なども登場するシーンなどが撮影されたという。
秋目には1990年、ロケの撮影記念碑が設置された。コネリーさんや出演した丹波哲郎さんのサインが刻まれており、007ファンの間で“聖地”となっている。
鹿児島市の旧島津別邸「重富荘」もロケ場所に選ばれた。
朝日新聞の1966年8月1日付けの夕刊によると、重富荘で撮影されたのは、ジェームズ・ボンドが東京の料理屋で、秘密諜報員に扮したスキ(若林映子さん)から、日本の秘密諜報員タイガー田中(丹波哲郎さん)を紹介されるシーンだったという。
また、ロケの舞台となった国宝の姫路城では、重要文化財が傷つけられるというハプニングも起きた。1966年8月24日の朝日新聞の夕刊によると、忍者隊のシーンを撮影する際に、重要文化財の土塀が手裏剣で傷つけられ、管理事務所から撮影中止を命じられる一幕もあったという。
東京・千代田区の「ホテルニューオータニ」も、敵組織「大里化学工業」のアジトとして登場した。
ロケは1966年の夏、およそ2カ月に渡って行われた。
当時の写真を紹介する。