れいわ新選組・山本太郎氏の街頭演説、大阪府警が中止要求。府警「発表する予定はない」

大阪府警広報課は「こちらでは把握しておらず、発表する予定はない」と回答

2025年に大阪市を廃止し、4つの特別行政区に再編する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が10月12日、告示された。

この日、れいわ新選組の山本太郎代表が大阪市内で街頭演説を行ったところ、府警の警察官に中止を要求される一幕があった。

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れいわ新選組・山本太郎代表
時事通信社

■拡声器を持った警察官が制止

山本太郎代表が大阪市中央区の戎橋(えびすばし)で街頭演説を始めたのは12日の昼前。れいわはYouTubeでその様子を生配信していた。

山本代表は都構想について「大阪の力が増すのか、それとも衰えるのか。当然衰えますよ」などと否定的な立場から演説を展開。「大阪市民のために使われるはずだった財源や権限が大阪府に吸い上げられる」などと訴えた。

しかし、その後大阪府警・南警察署の警察官が「演説を一旦中止してください」と手持ちの拡声器で呼びかけた。山本氏は「一旦中止をする、法的根拠を教えてください」と説明を求めた。

しかし、警察官はこれに応じず中止を求め続けた。山本氏は警察官にマイクを渡すよう支持者に促したが、警察官は拒否。支持者が警察官に詰め寄るなど、一時騒然とした。

その後も警察官が「許可は得ていますか」と聞くと、山本氏が「いりません。道路交通法77条に基づいている」と主張するなど平行線をたどった。

参考:道路交通法77条

次の各号のいずれかに該当する者は、それぞれ当該各号に掲げる行為について当該行為に係る場所を管轄する警察署長(以下この節において「所轄警察署長」という。)の許可(当該行為に係る場所が同一の公安委員会の管理に属する二以上の警察署長の管轄にわたるときは、そのいずれかの所轄警察署長の許可。以下この節において同じ。)を受けなければならない。
 
一 道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人
二 道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする者
三 場所を移動しないで、道路に露店、屋台店その他これらに類する店を出そうとする者
四 前各号に掲げるもののほか、道路において祭礼行事をし、又はロケーシヨンをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で、公安委員会が、その土地の道路又は交通の状況により、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要と認めて定めたものをしようとする者

この後、山本氏は「独り言をマイクが拾っている」として都構想の反対を引き続き訴え、警察の対応を「法律も犯していないのに、公権力を使って表現の自由を侵している」と批判した。

■大阪府警「発表しない」

この一連の騒動について、管轄する南警察署は記者クラブに加盟していない社については対応しないとした。また、大阪府警広報課は「こちらでは把握しておらず、発表する予定もない」と回答した。