オーストラリアの沖合でサメに追われていたサーファーの男性が、ドローンからの警告を受けて九死に一生を得た。男性は、後に映像を見せられるまでサメが急接近していたことに気付いていなかったという。
ニューサウスウェールズ州の人命救助団体「サーフライフセービング」の発表によると、元プロサーファーのマット・ウィルキンソンさんが10月7日、オーストラリアのニューサウスウェールズ州の沖合でサーフボードを漕いでいた。当時水域を監視していたドローンの操縦者が、サメの姿を確認。どこからともなく浮上し、急スピードでウィルキンソンさんのそばまで迫っていた。
操縦者はドローンのスピーカーを使い、危険なサメが近づいているためビーチに戻るようウィルキンソンさんを促した。ウィルキンソンさんがドローンの警告に気づいて陸に向かって泳ぎ始めると、サメは方向転換し、ウィルキンソンさんの追跡をやめて「退散」した。
同団体の発表によると、サメは体長約1.5メートルのホオジロザメとみられる。ウィルキンソンさんは、サメが足先まで迫っていたことに気付いていなかった。「周りを見渡しても何も見えなかった。ライフガードが映像を見せてくれた時、どれほど近くにサメがいたかを知りました」と驚いていたという。
NPRによると、サメを警戒するための沖合でのドローン飛行はニューサウスウェールズ州政府によって資金提供されている事業。
ウィルキンソンさんは「一生サメと一緒にサーフィンをしてきましたが、サメが海にいることも、人間にあまり関心がないことも十分に知っています」「サメが最後の最後に(襲わないと)考え直してくれてうれしいです」などと述べている。ビーチは翌8日に閉鎖された。