新型コロナウイルスの感染拡大によって深刻な品薄に陥っていたマスクが、急激な値崩れを起こしている。
3月ごろには一枚100円弱と高騰したが、今は安いもので4〜6円と20分の1程度。長崎県の商社は「在庫一掃」と銘打ち51枚入りのマスクを一箱280円で販売するプランも発表している。
■在庫は「数十万枚」
「とにかく今月中には在庫を処分したい」
長崎県の商社「RedHat」の担当者はハフポスト日本版の取材にこう話す。マスクの仕入れ単価は9月ごろから安くなり、この会社の場合「今は一枚5〜6円」と明かす。
街中からマスクが消え、購入を希望する人たちが開店前のドラッグストアに列をなしていた光景はすっかり過去のものになった。
政府の呼びかけに応じる形でシャープやアイリスオーヤマなどがマスク生産を開始し、中国などからの輸入もある。3月ごろには1枚100円弱とプレミア価格をつけたマスクの値崩れが止まらない。
RedHatは「数十万枚」(担当者)の在庫を抱え、一掃処分に乗り出した。51枚入りの不織布マスクを380円(税抜/40箱から)で販売する。2000箱以上の大口注文なら一箱280円に割引する。一枚あたりの値段は約5.5円。「ほとんど儲けはない」と担当者はこぼす。
値崩れの動きはこの会社に限ったことではない。
楽天市場、Amazonなど大手通販サイトで販売されたマスクのうち、1枚あたりの最安値を探せるウェブサービス「マスク通販最安値.com」を見ると、もっとも安い値段は「4円」。こちらも大量購入を前提とした価格で「バブル」の崩壊ぶりを感じさせる。
マスクは高い時には一箱5000円前後のものもみられ、4月に発売され、応募が殺到したシャープ製のマスクは50枚入りで一箱2980円(税抜)だった。
その後、徐々に価格は下がっていき、5月12日時点で1枚21円まで下落していた。