自民党の杉田水脈・衆議院議員が党内の会議で「女性はいくらでもウソをつける」と発言したとされる問題で、これまで発言を否定した杉田議員は10月1日、自身のブログを更新し、一転して事実であると認めた。
その上で「女性を蔑視する意図はまったくございません」などと弁明し、「ご不快な思いをさせてしまった方にはお詫び申し上げます」と謝罪した。
■発言が一転「あった」
杉田議員が問題の発言をしたのは9月25日。自民党内の会議で、性暴力被害者への支援事業をめぐって「女性はいくらでもウソをつける」と話したと複数のメディアに報じられた。
これに対して、杉田議員は発言を否定。自身のブログで「報道にありましたような女性を蔑視する趣旨の発言はしていないということを強く申し上げておきたいと存じます」としていた。
しかしその後、杉田議員に対しては、自民党の下村博文・政調会長が事情を聴取していたほか、与野党からも批判が相次いでいた。
杉田議員がブログを更新したのは10月1日。発言を否定した自身のブログ投稿を「一部訂正を致します」とし、「改めて関係者から当時の私の発言を精査致しましたところ、最近報じられている慰安婦関係の民間団体の女性代表者の資金流用問題の例をあげて、なにごとも聖域視することなく議論すべきだと述べる中で、ご指摘の発言があったことを確認しました」と一転して発言を認めた。
その上で「女性のみが嘘をつくかのような印象を与えご不快な思いをさせてしまった方にはお詫び申し上げます」と謝罪した。
しかし、発言自体に女性を蔑視する意図はなかったと釈明。「民間委託の拡充だけではなく、警察組織の女性の活用なども含めて暴力対策を行なっていく議論が必要だということ」と説明した。
また、非公開な会議の場での発言が、出席者の証言によって報道されたことを意識したのか、ブログでは自民党の部会について「忌憚のない意見、ひるまずに正面からなされる議論を担保するために『非公開』とされていると伺っております」とクギを刺すような一文もあった。
■辞職求める署名に12万筆超
杉田議員の発言については、「フラワーデモ」主催団体が辞職を求めるオンライン署名活動を実施。10月1日時点で12万筆以上が集まっている。
呼びかけ人で作家の北原みのりさんはハフポスト日本版の取材に対し「杉田氏の発言はセカンドレイプであることは間違いなく、激しく性差別的。性暴力根絶に向けて世論を変えようと被害者たちが必死で動いてきたことを後退させるひどい発言」と話していた。
■これまでも人権意識に欠ける発言
杉田議員はこれまでも、人権意識に欠けた、差別的な発言を繰り返してきた。
「新潮45」2018年8月号に寄稿した文章「『LGBT』支援の度が過ぎる」では、「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」などと持論を展開。批判が相次いだ。自民党は「個人的な意見とはいえ、問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現がある」と公式サイトに掲載し、本人にも指導した。
また、元TBS記者から性行為を強要されたと訴えているジャーナリスト・伊藤詩織さんについてBBCの番組で「女として落ち度がある」と言及。伊藤さんは、杉田氏が自身を誹謗中傷する複数のツイートに「いいね」をしたとして、損害賠償を求めて東京地裁に提訴している。
このほか、待機児童問題やシングルマザー支援、選択的夫婦別姓などについての発言でも物議を醸したことがある。