中秋の名月、2020年は満月じゃない。しかも毎年変わる。その理由は?でも今夜は月がきれいでしょう

中秋の名月とは何か。なぜ満月とは限らないのでしょうか。
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夜空に浮かび上がった中秋の名月を見る人々=2019年9月13日、北海道石狩市
時事通信社

2020年10月1日は中秋の名月です。

実は、中秋の名月は満月とは限りません。そして、毎年日にちが変わります。

2020年は10月1日が中秋の名月で、明日2日に満月を迎える予定です。

それでも今夜は、美しい月が見えることでしょう。

ウェザーニュースによると、きょうの中秋の名月がバッチリ見えそうなのは、西日本や東海と北陸の西部。関東も夕方ごろに晴れてくる見通しです。

中秋の名月とは。なぜ満月とは限らない?

中秋の名月とは何か。なぜ満月とは限らないのでしょうか。

国立天文台によると、中秋の名月とは、太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のことを指します。

太陰太陽暦は、明治5年まで日本で使われていた暦。月の満ち欠けを元に1カ月の日付が決められ、月の満ち欠け周期の約半分にあたる15日が満月であると考えられていました。

2020年は、太陰太陽暦の8月15日が、10月1日に当たります。

国立天文台は、満月と中秋の名月がずれる原因が2つあると説明しています

ひとつは、日の区切りと月の見え方が一致しないので、見かけ上日付が違うように見えてしまうことです。

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日の区切りと月の見え方の不一致
国立天文台の暦Wikiより

ふたつ目は満月の月齢が変化するためです。これが本質的な要因と考えられています。

月齢とは、新月からの経過日数を表しています。新月を0として、翌日が1、翌々日が2と、1日づづ増えていきます。

満月の月齢は、新月からの経過日数が13.9日〜15.6日と大きく変化します。

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満月の月齢の推移
国立天文台の暦Wikiより

陰暦の15日(名月)は、月齢14.0を含む日とされているため、満月の月齢が大きくなると、満月を迎えるのが名月の翌日になるということです。

月の満ち欠け周期の半分は約14.8日のため、満月が名月の後の日になることがたびたびあります。

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各年の名月と満月の日時
国立天文台の暦Wikiより

2020年の10月は満月が2回

2020年の10月は満月が2回見えます。

10月2日朝6時05分と、10月31日夜23時49分頃です。

月の満ち欠け周期の半分は29.5日のため、月の初日や2日目に満月を迎えると、同じ月末に再び満月を迎えることがあります。

ウェザーニュースによると、ひと月のうちに満月が2回あるとき、2回目の満月を「ブルームーン」と呼ぶことがあります。