大腸がんで亡くなった俳優のチャドウィック・ボーズマンさんを追悼し、アメリカのカリフォルニアにあるダウンタウン・ディズニーに、主演映画『ブラックパンサー』の壁画が誕生した。
『ブラックパンサー』のマスクを身につけ、病院の患者衣を着たと思われる子どもに、「ワカンダ・フォーエバー」の敬礼をするボーズマンさんの姿が描かれている。作品名は「KING CHAD」だ。
ディズニーのテーマパークを担当するウォルト・ディズニー・イマジニアリングの公式Instagramによると、このアートを描いたのは、ニコラス・スミスさん。
ウォルト・ディズニー・イマジニアリングで11年間テーマパークを設計したというスミスさんは現在、コンセプトアートなどを制作している。
スミスさんは自身のInstagramに、壁画の前で「ワカンダ・フォーエバー」の敬礼をした写真などを投稿。
2019年夏にはディズニーの小児病院と、「アベンジャーズ・キャンパス」に携わる仕事を手がけたと明かし、「何百万人もの子どもたちにとって、ティ・チャラ(『ブラックパンサー』でボーズマンさんが演じたワカンダの国王の名前)は、英雄的な伝説であり、チャドウィック・ボーズマンほど、それに値する人は、ほかにいません。このような方法で、チャドウィックの人生やその決心を尊重できることに、とても感謝しています」とコメントした。
ボーズマンさんは生前、現地メディアのインタビューで、『ブラックパンサー』の撮影期間、末期がんの子どもと連絡をとりあっていたことを、時折言葉をつまらせながら明かしていた。「この子たちは映画の公開を生きる糧にしている」と彼らの両親に言われ、撮影中はそれが励みになっていたという。
大腸がんを患っていたボーズマンさんは、インタビュー当時も闘病中だったと考えられる。
また、逝去後には、SNSなどで「ワカンダ・フォーエバー」のポーズをとる世界中の子どもたちの様子が投稿され、チャドウィックさんを称えた。
この壁画は、そのことから着想を得た作品とみられる。