「やめてって言っても大人はやめてくれないんだって思ったら、自分のNOには力がないと思わせてしまう」
NHK「あさイチ」が9月23日に放送した性教育特集で、出演したタレントのSHELLYさんが、子育てで大事にしている考え方を紹介。その発言に、反響が広がっている。
「やめては2回言わせない」
番組では、視聴者からの次のような質問が寄せられた。
「小学2年生の息子が遊んでいる時、女の子に抱きついて嫌がられました。先生に叱られてもピンときていないようです。どう教えればいいのでしょうか」
出演した産婦人科医の高橋幸子さんは、「『相手が嫌がることをしてはいけない、相手を大切にすると、自分も大切にしてもらえる』ということをきちんと教えてあげてほしい」「相手が望まないことをしないというのが思春期以降の性的同意という話につながってきます」などとアドバイスした。
これに対し、SHELLYさんは次のように述べた。
「ここの教育は私もすごい大事にしていて、やめては絶対に2回言わせないっていうのを言っています。やめてって一回言われたらやめるんだよって子どもにも教えていますし、娘たちにはあなたのNOには力があるんだよっていうことを教えるため」
「例えば大人がくすぐったりするじゃないですか。こしょこしょってしてやめてって言われたら、絶対やめています。やめてって言っても大人はやめてくれないんだって思ったら、自分のNOには力がないと思わせてしまう」
SHELLYさんは続けて、友人や親戚にも、子どもと接する時に上記のような対応をするよう前もって伝えていると述べた。
くすぐりが「恐怖」だった
SHELLYさんの発言を紹介したツイートには、1万を超えるいいねが寄せられるなど反響が広がっている。
投稿した30代の女性が、ハフポスト日本版の取材に応じた。SHELLYさんの発言に対し「親にこの考えを持って育ててほしかった」と打ち明ける。
「私はくすぐられるのが本当に嫌いな子どもだったのに、親はコミュニケーションの一つとしてくすぐっていたのだと思います。やめてと伝えているのに、くすぐったいから笑ってしまう。親は喜んでると勘違いしてやめてくれませんでした。拒否しても続ける親に恐怖も感じました」
「NO」を受け入れられなかった経験は、その後の対人関係にも影響を与えたという。
「親に対して『嫌だ』『やめて』と意見を伝えると、親が不快感を示すこともありました。だんだんと自分の意思を親に伝えることができなくなっていきました」
「例えば付き合った人や友達、会社からの要求に対してもNOと言えない結果になり、生きづらさを感じています。SHELLYさんの言葉を聞いて、私自身、姪と接する時に気をつけようと改めて思いました」
「子どもも一人の他人」「反省した」
この女性は、ツイートの中で自身の幼少期の体験をつづっており、多くの反響が寄せられている。
「子どもも一人の他人」
「やめてと言ってもくすぐられるのが本当に嫌でした」
「子どもが手間なく笑顔になるからやってしまいがち。気をつけなきゃ」
「どおりで、こちらが本気の『やめて!』を言ってもなかなかやめてくれないわけだわ…反省」
「あさイチ」の番組の中で、産婦人科医の高橋幸子さんはSHELLYさんのコメントを受け、「NOといったことをしっかり受け入れてもらえたという体験が、その先嫌なことがあった時にNOと言えることにつながる」と賛同。
続けて、「嫌なことがあったらNOって言っていいんだよということを、言葉づらだけでなく、NOを受け入れてもらえたという体験を積み重ねることは本当に大事だと思います」と強調した。