5年に一度実施され、日本に住む全ての人を対象にした国勢調査が始まっています。
日本国内の人口や世帯の実態を明らかにするための調査で、2020年で開始から100年を迎えます。
面倒くさそう。なんの役に立つの?無視しちゃおうかな… そんな風に思う人も少なくないかもしれません。
でも、国勢調査って、意外と身近なところに役立てられているのです。
どんなことに活用されているのか、いくつか事例を紹介します。
公式サイトでは「生活環境の改善や防災計画など、わたしたちの生活に欠かせない様々な施策に役立てられる大切な調査です」と説明しています。
▽衆議院議員小選挙区の改定
衆議院議員小選挙区は、各都道府県の人口などをもとに、区割り・配分されています。この人口について、国勢調査の結果が用いられています。
小選挙区の改定案を作成にするにあたり、各選挙区の人口は「官報で公示された最近の国勢調査又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による人口」を用いることが定められています。
▽地方交付税の交付額の配分
地方交付税は、国が地方に代わって徴収する地方税で、地方公共団体の財政状況を考慮して各自治体に配分されています。
配分額を算定するためのひとつのデータとして、国勢調査で得られた「人口」や「世帯数」などが用いられています。
▽政党交付金の算出
国が政党に交付する政党交付金は、総額を算出するために「基準日における人口」を用いることが定められています。「基準日における人口」は、基準日直近に官報で公示された国勢調査の結果による確定数を指しています。
政党交付金の総額は、最近の国勢調査の人口に250円を乗じて得た額を基準として、国の予算で決まります。(2015年国勢調査人口により算出すると約318億円)
▽医療費・年金
今後の年金や医療費の負担と給付について審議・決める基礎資料として、国勢調査の結果や国勢調査の結果を基に推計した将来推計人口が利用されています。
▽防災・災害計画
国勢調査は地域ごとの人口データが把握できるため、避難所など防災計画を策定するのに役立っています。町丁・字等データを利用して被災地の避難人口の推計し、被害予測にも活用されています。
▽都市計画・子育てビジョンなどなど
さらに、都市計画や子ども・子育てビジョンを策定する基礎資料として、国勢調査の結果による人口や世帯数が用いられています。
このほか、数多くの法令や、さまざまな政策の基礎資料としても用いられています。
▽企業の出店計画
政府、行政だけでなく、民間でも活用されています。国勢調査によって、どの地域にどのくらい人口が集中しているかがわかるため、商圏分析に基づく出店計画の策定やマーケティングの基礎資料として利用されています。