厳しい暑さが続いた2020年の夏。猛暑対策や熱中症防止のため、街では日傘をさす人が多く見られました。その中には、男性の姿も...。かつては「紫外線対策」として女性の間に浸透した日傘が、男性も使うことが「当たり前」になりつつあるのかもしれません。
ハフポスト日本版では、日傘に関するアンケートを実施しました。総勢1457件の回答が集まり、8割以上の人が「全然気にしない。さした方がいいと思う」と回答しました。実際に日傘を利用しているかどうか聞いたところ、女性は8割、男性は5割が日傘を使っていることがわかりました。
【アンケート調査概要】
2020年8月16日〜8月21日まで、ハフポスト日本版で実施。有効回答数は1457件で、回答者の性別は男性が58.1%(846人)、女性が39.7%(578人)、Xジェンダーやノンバイナリーなどの回答が0.8%(11人)、未回答が1.5%(22人)だった。
年齢層は、20歳以下が2.81%(41人)、20代が14.1%(206人)、30代が15.4%(224人)、40代が24.6%(358人)、50代が21.5%(313人)、60代が13.1%(191人)、70歳以上が7.4%(108人)、未回答が1.1%(16人)。
「男性が日傘をさすことについて、どう思いますか?」聞いてみたら...
まず、すべての方に「男性が日傘をさすこと」についてどう思うか、聞いてみました。
すると、8割以上の人が、「全然気にしない。さした方がいいと思う」と回答。約2割の人が、「ちょっと違和感 or 抵抗があるかも」と答えました。
「気にしない」という人が多かったものの、2割の人が違和感や抵抗感を抱いていました。
アンケートに寄せられた感想の一部を紹介します。
《違和感、抵抗がある...と答えた人の意見》
「『男のくせに』とか『軟弱者』とか思われそう。あと日傘は美容目的で女性が使うものという認識が自分の中で根深く、あまり使う気になれない」(20代男性)
「日傘は女性のものという先入観があるため、男性が使うには抵抗感がある」(60代男性)
「悪い意味ではなく、『あ、男の人がさしてるな』とシンプルに目がいく」(30代女性)
「日傘をさしたいけど、日傘をさしてる男性が少ないので、さす勇気が出ない。 でも、出来るだけさしたいと思ってる」(30代男性)
「日傘という名前と女性が持っているものというイメージが結びついている。男向けのカッコいいデザイン(形状を含めて)がない」(50代男性)
「見慣れてないからおおっと思う。ただ自分(女性)が日傘を使いはじめた頃、お嬢様ぶってみたいな言われ方をされる事もありましたが、今では多くの女性が当たり前に使っています。気にせず使っていれば一般化します」(50代女性)
やはり、「日傘は女性がさすもの」という先入観がネックとなっているようです。
性別でみる、日傘を使っている人の割合
では、実際に日傘を使っている人は、どれくらいいるのでしょうか。
《男性 5割近くが日傘を利用》
男性の場合は、846人中、「使っていない」が451人(53.3%)、「使っている」が395人(46.69%)でした。
「男性の日傘」に関するアンケートだったため、もともと日傘をさす人が多くアンケートに答えてくれた可能性はありますが、約半数の人が日傘を使っていることがわかりました。
男性の間でも、日傘をさすことが習慣化してきているのかもしれません。
実際に使っている人からは、「日傘の効果を使う前はなめていた。正直使ったほうが断然暑くない」(20代男性)、「日を遮るだけで、圧倒的に疲労感が少ない」(40代男性)、「夏の暑さが以前とは違う。常に日陰を持ち歩ける。大変合理的。性差関係なく使用すべき」(50代男性)、「此のところの暑さは異常なので、恥ずかしい等言っていられない」(70歳以上の男性)などの意見が届きました。
《女性 約8割が日傘を利用》
一方で、女性の回答を見てみると、578人中、「使っていない」が117人(20.24%)、「使っている」が461人(79.76%)でした。
日傘を使っていない人は約2割、使っている人は約8割で、使っている人の方が男性と比べて多いことがわかります。
《Xジェンダー、ノンバイナリー、クエスチョニングなど 使っている人が7割》
Xジェンダー、ノンバイナリー、クエスチョニング、ジェンダーフルイドなどの性自認をもつ人では、11人中、「使っている」が8人(72.7%)、「使っていない」が3人(27.3%)を占めました。
アンケートには、「みんなが日傘を使うようになってほしい」という意見が多く集まりました。
「性別や年齢に関わらず、自分の健康を守るために多くの人が使えばいいのにと思う」(40代女性)
「男性としてはやはりまだ世間の日傘をさす男性に対しての目が厳しく感じる時があるので、もっと美容以外の観点からの社会的アプローチが欲しい」(20代男性)
「ニュース番組などで、男性リポーターも日傘をさして映るなど、男性が日傘をさすことも当たり前として扱うべき」(30代男性)
「恥ずかしいなどの問題ではなく、この酷暑で暑さを少しでも防げるなら皆さんに日傘を使っていただきたいです。傘は全ての人がつかうのに、日傘は女性だけなのはおかしい」(20代 Xジェンダー)
「男性である為、余程日差しが強い日にのみ現状は使用している。もっと一般的になってくれると嬉しい」(50代男性)
「男性用デザインももっと広がるといいですね。 また、最近は自粛の影響で日差しに慣れていない人も多いと思うので、肌トラブル防止の為に男女共に抵抗なく使える社会になるといいですね」(20代男性)
「『日傘男子』という言葉が広がる前から日傘を使っているのですが、特に真夏は大変重宝しています。見栄えよりも実用重視です。特にコロナで夏にマスクをする環境では暑さ対策は重要だと思います。記事で『『美容目的』」のため女性の間に日傘が普及した』とありますが、歴史を紐解けば『美容目的』が偏見だというのが分かると思うので、メディアにはもっと日傘の意味を発信して欲しいと思います」(30代男性)
「男もあたりまえに日傘がさせる日が、いつか来ますように」(50代男性)
「夫にも日傘をさすよう勧めていますが、さそうとしません。ぜひ男性の日傘、広まってほしいです」(50代女性)
「よく知りませんでした、是非とも使ってみたいですね、広めると大変いいと思われます。調べて実際のものを見て購入をしようと考えています」(70代男性)
たくさんの方にアンケートにご回答いただき、貴重なご意見をありがとうございました。
9月に入っても、残暑が続いています。暑さや熱中症から身を守るための手段として、性別関係なく、日傘を有効活用してほしいと思います。