Netflix Japanが9月7日にオンライン記者会見を行い、日本でのサービス開始から5年、国内のメンバー数が500万人を突破したことを発表した。
2020年7月、Netflixの有料メンバー数は全世界で1億9300万人を達成。日本国内のメンバー数は500万人にのぼった(2020年8月末時点)。
2019年は300万人で、この1年で200万人が増加。その理由について、コンテンツ・アクイジション部門ディレクターの坂本和隆さんは、「複合的な理由だと考えられます。作品がグローバルで作られており、オリジナルが多い。作品の多様化が進んでいることが大きな要因」だと説明した。
配信サービスをめぐる国内の市場規模も拡大しており、2015年は1410億円だったのが、2019年は2770億円にまで成長したという。
Netflixの強みは、「ビジネスをシンプルにし続けてきたこと」。配信サービスの改良を続け、「得意なことに集中してきた」結果が、500万人のメンバー数につながったという。
Netlfixでは、実写の映画やドラマシリーズだけではなく、アニメ作品も多い。配信だけではなく、オリジナル作品の制作にも力を入れており、日本のクリエイターと組み、「スタジオ機能の内製化、ローカル化」を今後も加速させていく。
日本発のアニメは日本及び海外のファンに高い人気を誇っている。アニメ映画『泣きたい私は猫をかぶる』は、世界30カ国以上で「最も観られた映画TOP10」入り、また、アニメシリーズ『バキ』は、「最も観られた作品の総合TOP10」入りを果たしている。
実写作品に関しては、今が「第2のステージ」にあるとし、制作に注力した上で、「日本の視聴者が見たことのない作品」や「自由な作品作り」を追求していくと今後の展望を明かした。
現在の制作体制について、坂本さんは「プロデュース側とクリエイターとの連携が必要」と自身の見解を述べた。韓国のポン・ジュノ監督の『パラサイト』を例にあげ、「監督が求めるビジョンに対して、プロデュース側が、環境や予算を用意することが大事。いかにクリエイターのやりたい部分を引き出せるか」が課題だという。
日本の作品を、世界に打ち出すことについては、「まずは日本のマーケットに最大のインパクトを出すことを重視した上で、それからどこまで海外に広げていけるか、という視点で考えている」と説明した。
今後発表される大規模な作品として、麻生羽呂さんのマンガ『今際の国のアリス』を実写化。『キングダム』などの実写化を手掛けた佐藤信介さんが監督を務め、Netflixオリジナルのドラマシリーズとして2020年冬より配信がスタートする。本作では、山崎賢人さんと土屋太鳳さんがダブル主演を務める。
佐藤監督は、Netflix作品の映像や音声のクオリティについて、「劇場作品の解像度は2Kだが、今回は4Kで作っている。そういった意味で、劇場以上の画質クオリティを保たねば。そこが大きなハードルでしたが、時間をかけて、クオリティを上げることができました」と制作過程を振り返った。
坂本さんは『今際の国のアリス』について、「日本からのひとつの挑戦になる」と、期待を寄せた。
Netflix Japanでは、今後2022年末までに、実写オリジナル作品を15作以上を配信する予定だ。