特別警報級の勢力で沖縄・奄美・九州地方に接近する台風10号。気象庁は広い範囲で甚大な影響を受ける恐れがあるとして最大級の警戒を呼びかけている。
メディアで台風10号の強さを説明する際、「スーパー台風」と報道されることも出てきた。「スーパー台風」ってどんな台風?
■米軍合同台風警報センターの最大強度
スーパー台風とは、米軍合同台風警報センター(JTWC)が用いる台風の強度階級の一つで、最大強度に当たる。
JTWC公式サイトの説明によると、「(日本周辺を含む)北太平洋西部では、最大風速64~129ノット以上の熱帯低気圧を『台風』、130ノット以上の熱帯低気圧を『スーパー台風』と呼んでいます」とのこと。
2018年発行の日本気象学会機関誌「天気」に掲載された「スーパー台風」の用語解説では、日本とアメリカで台風の強度を分ける際に用いる風速の定義が違うことなどを紹介。ただ、スーパー台風は気象庁で最も強い階級の「猛烈な台風(最大風速54メートル以上)」よりも強いという。
毎日新聞は、スーパー台風は最大風速59メートル以上に当たると解説している。
JTWCは9月5日午前の段階で、台風10号=ハイシェン(HAISHEN)をスーパー台風(SUPER TYPHOON)と定義している。
■ フィリピンではスーパー台風上陸で大きな被害も
近年のスーパー台風で知られているのは2013年にフィリピンに上陸し、高潮や暴風によって6000人以上の犠牲者を出した「ハイエン」だ。気象庁気象研究所のまとめによると、過去100年間で最も強い台風だという。
日本気象学会の用語解説によると、温暖化が進むと数十年後にはスーパー台風の最大強度が増すとした論文もあり、日本を含む地域で台風のリスクが高くなる可能性があるという。