映画『ブラックパンサー』などで知られる俳優のチャドウィック・ボーズマンさんの訃報を受け、アメリカでは悲しみの声が広がっている。
大腸がんを患い、2016年から闘病を続け、43歳で亡くなったボーズマンさん。
『ブラックパンサー』の舞台となる架空の国・ワカンダ式の敬礼である、拳を握った両腕を胸の前でクロスした写真がSNSに数多く投稿され、ボーズマンさんの死を悼む人々が後を絶たない。
共演者やスポーツ選手なども、追悼コメントを発表している。
ワカンダのテーマパークを。名俳優が呼びかけ
『天使にラブ・ソングを…』の主演俳優、ウーピー・ゴールドバーグさんも、ボーズマンさんの訃報を受け、コメントを発表した一人。
ゴールドバーグさんは、アフリカ系の俳優として初めて、エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞というアメリカのエンターテインメント界の名誉ある4つの賞すべてを受賞した人物でもある。
ゴールドバーグさんは、8月31日に自身のTwitterを更新。
「ディズニーランドとワールドの新企画の関係者へ」として、「『アナと雪の女王』のエリアはこれ以上はいらないので、『ワカンダ』を必要としているのです。お願いです、ディズニーワールド、ディズニーランドに、チャドウィック・ボーズマンの名のもとに『ワカンダ』を建設してください」と呼びかけた。
この投稿は、5万7000以上のいいねがつき(9月2日16時時点)、「ディズニーお願い」「私たちが今求めているのは、ワカンダ王国なんだ」「チャドウィックのことを思い出せる場所を作って」など、多くの賛同の声が寄せられている。
「アベンジャーズ・キャンパス」を今後オープン予定
CNNによると、フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでは、すでに『アナと雪の女王』のアトラクションなどが存在する。この状況をふまえ、ゴールドバーグさんはこれ以上は作る必要はないとし、『ブラックパンサー』に関連するエリアの創設を求めたとみられる。
以前から、アメリカ・カリフォルニア州にあるディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パークでは、『ブラックパンサー 』もシリーズ作の一つであるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品をテーマにした新エリア「アベンジャーズ・キャンパス」のオープン準備を進めていた。
「アベンジャーズ・キャンパス」では、MCUの世界観を体験できるアトラクションが作られる予定で、ディズニー・パークの公式Twitterでは同エリアの紹介の際に、MCUヒーローとともに、「ワカンダ」の名前を紹介していたことから、『ブラックパンサー』のキャラクターも登場すると考えられる。
『ブラックパンサー』の偉業
『ブラックパンサー』は、マーベル初の黒人ヒーローを主役にした作品。舞台の「ワカンダ」は、表向きは貧しい国を装っているが、実は豊富な資源を持ち、最先端科学技術を誇る文明大国。本作は、「植民地化されなかったアフリカ」を描いた点でも注目された。
アカデミー賞で、マーベルの作品として初めて作品賞にノミネート。作品賞の受賞は逃したが、作曲賞・美術賞・衣装デザイン賞の3部門の受賞を果たした。
CNNによると、ボーズマンさんの出演作は配信サービスでの視聴数が急増し、また、AmazonなどではBlu-rayなどが急激に売れているという。主演作のひとつ『42~世界を変えた男~』は、追悼の意を示したリバイバル上映が決定した。
ハリウッドの映画史に大きな影響を与えたボーズマンさんの突然の訃報を受け、その人柄や功績をたたえ、多くの惜しむ声が聞かれている。