『チョコレートドーナツ』とはどんな物語? 東山紀之さんがドラァグクイーン役で舞台化へ

ゲイの男性が育児放棄された障がいを持つ子どもを育てた実話に着想を得た物語。映画の主演アラン・カミングさんはトニー賞を受賞するなどの実力を持つ。
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『チョコレートドーナツ』で主演を務める東山紀之さん
提供写真

映画『チョコレートドーナツ(原題:ANY DAY NOW)』が、東山紀之さん主演、宮本亞門さん演出で、舞台化することが決定した。

ゲイの男性が育児放棄された障がいを持つ子どもを育てたという実話に着想を得た本作。

東山さんが演じるのは、シンガーを夢見ながら、ショーパブの“口パク”のダンサーとして日銭を稼ぐルディ。出口の見えない生活の中、ルディの人生は、運命の人ポールや、隣に住むのダウン症の少年マルコと出会うことで変わっていく。東山さんは、ダンス、歌、演技に挑むという。

東山さんは、「この作品は苦しい状況の中でも“愛”や“希望”の為に必死に立ち向かう人間の姿を描いています。私が演じるルディは、感情の起伏が激しいけれど、愛情深い人物なので、とても難しい役柄だと感じています。宮本亞門さんが表現する世界観を楽しみながら全身全霊で演じたいと思います。ルディとして、谷原さん演じるポールとダウン症のある少年マルコ役の高橋くん、丹下くんを最後まで愛し抜きます。ドラァグクイーンのショーシーンでは様々なダンスを披露しますし、名曲の歌唱シーンもありますので、どうぞ楽しみにしていて下さい」とコメントしている。

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谷原章介さん
提供写真

ルディと共に少年マルコを育てようと、世間と闘う地方検事ポールを演じるのは谷原章介さん。また少年マルコ役として、実際にダウン症の高橋永さんと丹下開登さんがダブルキャストで出演。高畑淳子さん、モロ師岡さん、堀部圭亮さん、八十田勇一さんらが共演する。

東京公演は12月7日~30日、PARCO劇場にて行われる。

 

映画版はどんな物語?

トラヴィス・ファイン監督の映画『チョコレートドーナツ』は、2012年にアメリカで制作され、2014年に日本で公開された。

舞台は1979年のカリフォルニアで、シンガーを夢見ながらショーダンサーとして日銭を稼ぐルディは、ゲイであることを隠して生きる弁護士のポールと出会う。

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左から、ルディ役のアラン・カミングさん、マルコ役のアイザック・レイヴァさん、トラヴィス・ファイン監督。(2012年撮影)
Brian To via Getty Images

ルディの自宅と同じ階には、母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年マルコが住んでいた。ルディはマルコを引き取る手続きを進め、ポールと3人で家族として暮らし始める。ルディは、歌を録音したデモテープをクラブに送り、マルコも学校で友達を作り始めるなど、幸福な時間を過ごしていた。

しかし、ルディとポールは、ゲイのカップルであることが周囲に知られ、2人が関係を偽ったとし、マルコは家庭局に連れていかれてしまう。そして、世間の差別と偏見によって奪われたマルコを取り戻すために裁判に挑むことを決心する。

 

トニー賞受賞の俳優が、名曲を歌唱

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アラン・カミングさん(2019年撮影)
Paras Griffin via Getty Images

ルディ役を演じたのは、アラン・カミングさん。ドラマ『グッドワイフ』や映画『X-MEN2』など映像作品に出演するほか、舞台『キャバレー』で、アメリカ演劇界で最も権威のある賞とされるトニー賞など数々の賞を受賞。

演技力、歌唱力ともに実力の持ち主で、劇中では、ボブ・ディランの名曲「I Shall Be Released」などを歌唱する。

カミングさんは、バイセクシュアルであると公表しており、男性のパートナーと結婚している。

ポール役は『LOOPER/ルーパー』『それでも夜は明ける』などのギャレット・ディラハントさんが演じる。また、マルコを演じたのはアイザック・レイヴァさん。役柄と同じダウン症候群のレイヴァさんは、本作で俳優デビューを果たした。

<公演情報>

PARCO劇場オープニング・シリーズ『チョコレートドーナツ』

2020年12月7日(月)〜12月30日(水)、PARCO劇場にて上演

他、地方公演:2021年1月~長野、仙台、大阪、愛知