宮内庁は8月24日、天皇陛下の御即位を祝う各都道府県や国会などから贈られた工芸品や美術品など52点を公式サイトで公開した。
毎日新聞によると、平成の代替わりでは実物を皇居で公開したが、新型コロナウイルス流行の影響でウェブ上での公開となった。
いずれも各地に伝わる伝統工芸品などで、繊細で美しい佇まいだ。どんな品があるのか、画像を見て楽しもう。
光と影が織りなす陰影の美しさを感じるように、しっとりとした肌合いの釉を施したという。
■岩手県・岩手県市長会・岩手県町村会=南部鉄器 鉄瓶(南部砂鉄 石割桜南部形鐵瓶)
国の天然記念物に指定されている「石割桜」がモチーフ。
■秋田県・秋田県市長会・秋田県町村会=銀線香器「清閑」
秋田銀線細工は、極細の純銀線をより合わせ、巻いたり編んだりして様々な形や模様に細工、立体的に造形する金属工芸。生命力のあふれた草花やつがいの蝶を形にしたという。
■埼玉県=江戸木目込人形(岩槻)「賢一 寿々喜雛」(けんいち すずきびな)
経済産業大臣指定の江戸木目込人形の技法で製作。絹織物を用いている。
■静岡県=駿河蒔絵掛額「雲上の旭光」(するがまきえかけがく「うんじょうのきょっこう」)
駿河蒔絵は、漆器に漆などを塗って金銀の粉を蒔き、絵や模様などを描いたもの。朝日が富士の山肌を赤く照らしている。
伊吹山の麓、揖斐川町春日で長い年月を経て産み出されたもの。
■京都府・京都府市長会・京都府町村会=京焼・清水焼「鳳凰香炉」
島根県松江市玉湯町は青めのうの産地で、古来より勾玉の一大産地という。
■愛媛県=伊予生糸を使用した絹ガラスのネストテーブル
伊予生糸を装飾にあしらった絹ガラスを天板に、愛媛県産のヒノキを脚としている。
「香合」は、香を入れる蓋付きの小さな容器。「梓」と「ハナマス」が施されている。
刻々と変わる南国の太陽で煌めく海に浮かびあがる島をモチーフにしている。
■ブラジルのトメアスー文化農業振興協会=天皇陛下即位祝賀寄書バナー
ブラジルのパラー州トメアスーはアマゾン地域で最初の日本人移住地。2019年に移住90周年を迎えた。日系社会で御即位の祝賀会を開催し、祝賀バナーを作成し寄書を行ったという。
他の献上品とは一味違うが、遠く離れた土地で寄せ書きをした気持ちを想像すると、心が温まる。