国内で猛暑日が続く中、驚異的な暑さを観測したアメリカ・カリフォルニア州のデスバレーに注目が集まっている。8月16日には「54.4度」を記録した。正式に確定すれば、世界で3番目に高い気温になるという。
デスバレーとはどんな場所なのか?
「死の谷」と呼ばれる灼熱地帯
「世界一暑い場所」と言われるデスバレー。アメリカ西部・カリフォルニア州に広がる乾燥地帯で、デスバレー国立公園は米国内でも最大級の面積(およそ1万3000平方キロメートル)がある。
「死の谷(Death Valley)」という名称は、1849年から1850年、ゴールドラッシュの時代にこの地を訪れた開拓者が命を落としたことが由来になったという。
なぜ「暑い」のか?
デスバレーを暑くするのは、海面よりも低い標高が関係している。最も低い地点は海抜マイナス86メートルだという。
科学系のニュースサイト「Live Science」によると、谷は狭く空気の循環を妨げてしまい、また、太陽光を吸収する植物もほとんど存在しないという。こうした地形や環境が、灼熱地帯を作り出しているようだ。
一方で、冬になると、周囲の空気が冷えることで砂漠が熱を保持しなくなり、気温はかなり下がるという。
世界最上級の「暑さ」を体験しようと、この地には多くの観光客も訪れる。
春には野生の花が咲き、観光シーズンの一つとなっている。
過去最高気温も同じデスバレーで記録された
アイオワ州立大学によると、 8月16日午後3時41分、デスバレーで華氏130度(摂氏54.4度)を記録した。この気温は現時点では公式ではないという。「極端な気候現象のため、記録された気温に対して正式な検証が必要」と説明している。
もし確定すれば、歴代で3番目の最高気温となるという。
ギネス世界記録によると、過去最高の気温は56.7℃。1913年7月10日に、同じくデスバレーで記録されたものだ。