都内を中心に感染が拡大している新型コロナウイルスについて、東京都医師会は7月30日に都内で記者会見を行い、コロナ専門病院の設立を呼びかけた。
猪口正孝副会長は、新型コロナウイルス感染症を専門に診療する病院 “コロナ専門病院” について「なかなか進まないで(第2波の)感染拡大期に入った。コロナ専門病院、本当に必要な状態だと私たちは考えています」と強調した。
会見が開かれた30日には、これまででもっとも多い367人が都内で新たに新型コロナ陽性が確認されている。
猪口副会長は「都庁の中に、入院患者の調整本部があるが調整件数は1日100件を超える。1人の患者が入院するためには、病院に問い合わせるなど調整に15分ほどかかる。感染が広がると、問い合わせる先の病院が増えるし、なかなか調整がつかない」と指摘。コロナを特化して診療する専門病院があれば、「調整をしないで済む」と提案した。
コロナ専門病院には救急診療のトリアージ機能も想定。感染者や非感染者に迅速に対応できるという。また、未知の部分が多いウイルスに対する集中的な情報収集や治療法の確立なども期待できるとした。
猪口副会長は、コロナ専門病院について「都内の病院にとってプラスになる」と指摘する。
現在のように100以上の医療施設で分散的に新型コロナの診療に当たると、第一波では「病院にはコロナ患者がいるかもしれないから怖い」という風評被害が発生した。
第2波が到来しつつある今、「#7119での受診相談も増えている。今後もこうした風評被害が増えると思う」とした上で、「コロナを一手に引き受けてくれる病院があれば、他の病院の需要抑制も解消できる」と強調。
「ぜひ3000床規模くらいで、都立・公社病院を中心として作ってくれたらと思っています」と訴えた。