7月30日9時30分すぎに出された緊急地震速報について、気象庁は同日記者会見を開き、「本来の震源とは異なる震源を決定し、マグニチュードを7.3と過大に推定した」と発表した。
関東など広い範囲で緊急地震速報が出されたが、実際には強い揺れは観測されなかった。
気象庁は会見で、「国民の皆様には多大なご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします」と謝罪した。
緊急地震速報→強い揺れは観測されず
気象庁は、7月30日9時38分、千葉県南方沖で地震が発生したとして、緊急地震速報を出した。対象地域は、東京都や千葉県、神奈川県など関東甲信越や、東海、福島県など東北の一部。
だが、実際にはほとんど揺れは発生しなかった。
気象庁によると、9時36分ごろに鳥島近海を震源とする地震があったが、震度1以上の地震は観測されず、強い揺れは観測されなかった。この地震の震源の深さは約60km、地震の規模を示すマグニチュードは5.8と推定される。
なぜ「緊急地震速報」がでた?
気象庁では、警報を出す際、複数の観測地点で得られた揺れのデータなどから震源を予測し、そこからマグニチュードを算出する。警報は、最大震度5弱以上が予測される場合に、震度4以上の地域で鳴る仕組みだ。
今回は、揺れのデータから、震源が千葉県南方沖にあるとシステムが推定したが、実際の震源地は異なる位置だった。
「震度を過大に予測した原因は、緊急地震予測処理において、本来の震源とは異なり、房総半島南方沖に震源を決定し、マグニチュードを7.3と過大に推定したためです」と説明。
「震源の位置が大きくずれてしまったことが誤報を発表する要因になった」という。
再発防止について、「今後も精度向上に努めていく」「改善の方法があるのかということをしっかり調べたい」と話した。