岩手県は7月29日、県内で初めて感染者2人が確認されたと発表した。
全国で唯一、新型コロナウイルスの感染者が確認されていなかったため、感染者確認と報道されると、Twitter上では「岩手県最初の感染者」に対する様々な反応があった。
中には感染者が関東地方にキャンプに出ていたことを批判する声もあり、「(感染者や家族が)誹謗中傷を受けたりしないかが心配」などと懸念する投稿も多い。
岩手県の達増拓也知事は同日の会見で「誰でも感染する可能性がある」と強調。「自分も感染する可能性があるんだと、感染した方には共感を持っていただきたい」と呼び掛けた。報道機関に対しては感染者のプライバシーに配慮を求めた。
さらに7月30日朝、公式Twitterで「思いやりの心と感染拡大防止の決意を持って対応して参ります」と投稿。
達増知事は5月15日の会見でも、「県内の陽性1人目になりたくないというプレッシャーが県民にはあるのでは」という記者からの質問に対し、「県はその人のことを責めません」「県民の皆さんにも、1号の患者さんに対して優しく接してあげてほしい」「感染すること、陽性になることは悪ではない」と、感染者を責めないよう強調していた。
「コロナ差別」や偏見、嫌がらせ…呼び掛け始める自治体も
全国では、感染者が出たことによる嫌がらせのような事件も報道されている。
信濃毎日新聞によると、職員の1人が新型コロナウイルスに感染したと報道された長野県小諸市の銀行で7月23日、窓ガラス1枚が割られているのが見つかった。クラスターを発生させた施設が嫌がらせを受けたり、県外ナンバーの車に嫌がらせが行われたりしたという報道も続く。
こうした状況に危機感を持ち、発信を始める自治体も。