性犯罪の「暴行・脅迫」要件撤廃も。刑法改正を議論する検討会で、論点の叩き台に盛り込まれる

「暴行・脅迫」要件の撤廃、時効の廃止や延長も盛り込まれた。性犯罪に関する刑法改正を議論する検討会で、法務省が論点の叩き台を公表した。
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性暴力に関する刑法改正などを訴える東京都の「フラワーデモ」の参加者(2019年6月)
AFP=時事

性犯罪に関する刑法改正を議論する法務省の検討会の第4回会合が7月27日に開かれ、今後話し合う論点の叩き台が公表された。強制性交等罪の「暴行・脅迫」要件の撤廃や、検察側にある性交の「不同意」の立証責任を被告人側に転換する案などが盛り込まれた。

 

■同意年齢の引き上げ、時効撤廃も

法務省がこの日の会合で提案した叩き台には、主に以下のような内容が盛り込まれた。

1)「強制性交等罪」と「準強制性交等罪」の構成要件の見直し

2)地位・関係性を利用した犯罪を処罰する類型の創設

3)性交同意年齢(13歳以上)の引き上げ

4)強制性交等罪の対象となる行為の範囲拡大

5)強制性交等罪の法定刑(5年以上の懲役)の下限の見直し

6)配偶者間の性犯罪行為の処罰規定

7)他人の裸体などの性的な画像を没収できる特別規定の創設

8)時効の撤廃または延長

強制性交等罪の「暴行・脅迫」と準強制性交等罪の「心神喪失・抗拒不能」の要件を巡っては、立証のハードルの高さや表現の曖昧さから、被害を認定されにくい問題が生じている。

そのため、罪の構成要件を巡っては、叩き台で

・強制性交等罪の「暴行・脅迫」と、準強制性交等罪の「心神喪失・抗拒不能」のいずれの要件も撤廃し、被害者が性交に同意していないことを構成要件とするべきか

・上記の2つの罪の構成要件として、手段や状態を明確に列挙するべきか

・被害者が性交に同意していないことについて、一定の行為や状態が認められる場合、検察側ではなく被告人側に立証責任を求める規定を創設するか、または「不同意である」と推定される状況を規定に挙げるべきか

といった論点が示された。

検討会は6月に初会合を開催。これまでの会合では、教師からの性暴力被害者や性的少数者の性暴力被害に詳しい支援団体など計8人にヒアリングを行った。法務省は、聞き取り内容や委員の意見を基に論点の叩き台を作成。今回の会合で委員から上がった意見を踏まえ、次回(8月27日)の検討会で論点整理の修正案を示すという。

なんとなく受け入れてきた日常の中のできごと。本当はモヤモヤ、イライラしている…ということはありませんか?「お盆にパートナーの実家に帰る?帰らない?」「満員電車に乗ってまで出社する必要って?」「東京に住み続ける意味あるのかな?」今日の小さな気づきから、新しい明日が生まれるはず。日頃思っていたことを「#Rethinkしよう」で声に出してみませんか。