大手バーガーチェーン「バーガーキング」の中国の店舗で、食品の廃棄基準を超えたパンや鶏肉などが顧客に提供されていた疑いがあることが、国営メディアの報道でわかった。
報道したのは消費者保護をうたう現地の名物番組で、これまでにも大手の外資系企業が調査の対象とされたことから、外資系企業が“狙い撃ち”されているとの見方もある。
■営業停止に
食品偽装の疑惑を報じたのは国営放送のCCTV。消費者の権益保護をテーマにした番組で、中国バーガーキングを対象にした調査報道の結果を明らかにした。
それによると、江西省南昌市の複数の店舗で、バーガーキングが定めた食品の廃棄基準を超えたパンや鶏肉などが客に提供されていたという。
具体的には、食品を保存している機械が、廃棄基準に達したことを示す赤色のランプを示しているのにも関わらず、提供可能な緑色に手動で変えていた。さらに、解凍後48時間以内に提供すると定められたパンについても、保存期限などが示されたラベルを店員が貼り替え偽装していたという。
CCTVの取材では、複数の店員がこうした偽装について日常的に行われていると証言したほか、パンについては「カビが生えていたこともある」と明らかにしている。
これに対し、中国のバーガーキングはSNS・ウェイボーで声明を発表。報道された店舗の営業を中止し調査を始めたことを明らかにしたうえで、「消費者の皆様へお詫びします」とした。
■外資系企業が“標的”に?
バーガーキングへの調査報道が行われた「3・15晩会」はCCTVの毎年恒例の名物番組。消費者の権益保護をうたい、毎年「ターゲット」にされた企業が徹底的に調べ上げられる。調査報道や記者の潜入リポートが人気を博している。
今年はほかにも、ゼネラル・モーターズの中国での合弁企業が発売する自動車ブランド「宝駿(ばおじゅん)」の変速機にも問題があるなどと指摘された。
過去にはナイキやアップル、マクドナルドなど、国外の大手企業が取り上げられることも多く、外資系企業が“狙い撃ち”されているとの見方もある。