東京都の小池百合子都知事は7月15日、都内の感染状況が4段階で最も高い「拡大していると思われる」に引き上げられたことを受け緊急の記者会見を開き、都のガイドラインを遵守しない飲食店などについては「利用を避けて」と呼びかけた。
15日に開かれた都のモニタリング会議では、感染経路の不明な感染者が前の週の2倍近くに増えていることなどが報告され、都は感染状況について4段階で最も深刻な「感染が拡大していると思われる」に引き上げていた。
これを受けて、小池都知事は午後5時から都庁で緊急の記者会見を開き、「感染拡大警報という状況にあることを、都民の皆様と意識を共有したい」と話した。
会見では、都の対策として▽積極的な検査体制の拡大▽地域の実情を踏まえたピンポイント対策▽年齢や業態を踏まえたきめ細やかな対応の3つが示された。具体的には、検査処理能力を現在の一日6500件程度から最大1万件へ増強することや、陽性者の入院や宿泊療養などの調整を担う機関の設置などが挙げられた。
小池都知事は、いわゆる夜の街や会食などで感染が増加していることにも言及。事業者に対し、都が示したガイドラインを守っていることを示す「感染防止徹底宣言ステッカー」を掲示するよう求めた。
一方で、利用する側に対しては「ガイドラインを守らないお店は避けていただきたい。目印としてステッカーのあるお店を選んでいただきたい」と呼びかけた。
この「徹底宣言ステッカー」は、都が定めたガイドラインにある感染防止対策を全て守っている事業者がオンラインで申請する。
ガイドラインでは、例えば居酒屋の場合、「利用者・従業員にマスク着用の徹底を周知」や「料理は大皿を避け個々に提供する」などが定められている。
小池都知事はほかにも「消毒・換気・マスクの着用をしていないお店の利用はお避けいただきたい。会食や飲み会では飛沫が飛ぶような大声での会話を避ける。お酒を飲むとどうしても声が大きくなりがちですので、その辺も注意をしてほしい」と話した。