アメリカ・ニューヨーク市で7月11日、1日の新型コロナウイルスによる死者数が3月以降初めてゼロになった。段階的な経済活動の再開から約1カ月が経ち、世界有数の経済都市は日常を取り戻しつつある。
6月から経済活動を再開 ピーク時は1日800人近くの死者
ニューヨーク市では、3月ごろから新型コロナの感染拡大が深刻化。推定死者数も含めると、ピーク時には1日で800人近くの死者が出ていた。
事態を受け、ニューヨーク州のクオモ知事は3月から都市封鎖(ロックダウン)や企業に対する営業規制、厳しい外出制限などを実施。感染拡大の抑制に努めてきた。
ニューヨーク市で本格的な経済活動の再開が始まったのは、6月に入ってからだ。クオモ知事は、ニューヨーク州内を10地域に分け、入院患者数や1日あたりの死者数など、経済活動の再開におけるガイドラインを作成。
ニューヨーク市では6月8日から、経済活動再開の第1段階として、建設業などを限定に営業規制を緩和した。さらに、22日には規制緩和の対象を広げ、レストランでの屋外飲食や店内での買い物などが可能になった。
同市保健局が公表したデータによると、7月11日、新型コロナによる死者数はゼロを記録した。陽性率は2%程度に止まっている。
1日6万人以上を検査 「すべてのニューヨーカーは検査を受けるべき」
ニューヨーク州では、クオモ知事の指示のもと、PCR検査や抗体検査の拡充を徹底して実施している。
ニューヨーク州での1日の検査数は6万件を超えており、クオモ知事は連日、自身のTwitterで1日の検査数、陽性者数、陽性率、総入院患者数や死者数を報告している。
▼クオモ知事のツイートより。7月11日のニューヨーク州内での検査数は6万2千件、感染者数は677人で、陽性率は1.08%だった。
検査は症状問わず、希望者全員が無料で受けることができる。
ニューヨーク市保健局は、「すべてのニューヨーカーは検査を受けるべきです」と呼びかけている。
一方で、アメリカでは依然として、南部と西部を中心に新型コロナウイルスが猛威を振るっている。フロリダ州では7月12日、1万5299人の感染が確認された。1日あたりの陽性率もこれまで最悪だった4月のニューヨーク州を上回った。