ヤカンや水筒にスポーツドリンク入れると「金属が溶け出すことも」厚労省が食中毒で注意喚起

大分県臼杵市の高齢者施設で、ヤカンに入れたスポーツ飲料を飲んだ13人が食中毒となっていた。

「金属製の容器(ヤカンや水筒)は酸性の飲み物と反応し、金属が溶け出すことがあります」

厚生労働省が7月8日に投稿した食品安全情報に関するツイートに反響が広がっている。

大分県臼杵市の高齢者施設で、ヤカンに入れたスポーツ飲料を飲んだ13人が食中毒となったことを受けた注意喚起だ。

「金属製の容器にジュースやスポーツ飲料を入れる時は、注意書きをよく確認しましょう!」と呼びかけている。

大分県食品・生活衛生課によると、この施設の利用者は7月6日、ヤカンに入れた市販の粉末で作ったスポーツドリンクを飲んだ後、下痢や吐き気などの症状が出たという。

ヤカン内部に付着した「水あか」に含まれる銅成分が、酸性のスポーツドリンクを入れたことで溶け出たという。県がドリンクを調べたところ、1リットルあたり200ミリグラムの銅が検出された。

ヤカンは普段、水などを沸騰させるために使っていた。煮沸させると「水あか」が落ちにくくなり、銅成分が付着していたとみられるという。

食品・生活衛生課の担当者は「いくつかの偶然が重なったケース」と説明する一方で、「こうした銅による食中毒は全国で過去にも事例がある」とも話す。

「今回はステンレス製でしたが、アルミニウム製の場合は金属が直接溶け出す可能性があるので、 酸性の飲料を入れるのは避けてほしい」と呼びかけている。

金属製のヤカンや水筒に酸性の飲料を入れると、金属が溶け出る可能性があるという。そのため、次のことに気をつけてほしいと説明する。

・スポーツドリンクのほか、ジュースや炭酸飲料を入れるのはなるべく避ける

・酸性の飲料を入れる場合も、長時間保管しないようにする

「魔法瓶の水筒も内側にサビやキズなどがあると、溶け出す場合があります。使用する場合も、キズなどがないかを確認し、清潔に保つようにしてほしい」と話している。