「22歳の女性新入社員」のAIロボ、「かわいいですね」に頬赤らめる ⇒ 「ステレオタイプを助長」と批判

「かわいいですね」で赤くなる?近鉄大和西大寺駅に設置されたAIロボットの設定や機能に対し、ネットで批判が上がっている。どんなロボットなのか?
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アルゼゲーミングテクノロジーズのAIロボット「ARISA」
アルゼゲーミングテクノロジーズ公式サイト

近鉄大和西大寺駅(奈良市)に設置されたAIロボットの設定や機能が、「ステレオタイプを助長する」などとネットで批判が上がっている。どんなロボットなのか?

近鉄の担当者によると、AIを搭載したロボットの名前は「アリサ」。人の動きを検知し、近付くと話しかけてくる。乗り換え案内や観光情報を教えてくれる。日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語でアナウンスが可能という。駅2階の改札内に7月1日、設置された。

アリサは高さ約2メートルで、近鉄駅員をイメージした制服を着用している。近鉄によると、ロボットの設定は「22歳の女性の新入社員」。「人工知能のロボットなので、これから勉強して知識を蓄えていかなければならないという理由で新入社員という設定にした」と説明する。「かわいいですね」と褒めると、「えへへ」と反応し、ほおを赤らめる機能が付いている。この他、「踊って」と注文すると、曲が流れてアリサがダンスをするという。

 

■開発者は「興味持ってもらうため」

 「駅の案内にこの設定と機能は必要ない」

「ステレオタイプを助長する表現」

「最新の技術で古くさいジェンダー観を再現するの後絶たない」

アリサの設定や機能に対して、ネット上では批判的な意見が上がっている。

アリサを開発した「アルゼゲーミングテクノロジーズ」の担当者は、アリサが顔を赤らめる機能を備えた理由について「堅い受け答えだとつまらなく、ロボットが照れると面白いと考えた。アリサにより興味を持ってもらうために取り入れた」と説明する。「22歳の女性の新入社員」との設定は、近鉄側が決めたとしている。

ネット上で指摘があることに対し、担当者は「批判があれば、近鉄と話し合って改善していきたい」と話す。

AIロボットを巡っては、2020年3月に開業した高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)で、乗り換え案内などのために置かれたAIキャラクター「AIさくらさん」の雑談内容をめぐり、「恋人の有無」「スリーサイズ」などを尋ねられた際に優しく受け流す対応が「ステレオタイプ的だ」「女性をばかにしている」などと批判が上がり、物議を醸した