周庭(アグネス・チョウ)さんと黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さん、民主派団体を離脱。“国家安全法”適用を懸念か

団体に残ることで逮捕されるリスクを避けるための決断という可能性もある。
|

香港の民主派団体「デモシスト」の周庭(アグネス・チョウ)さんと黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんは6月30日、それぞれのSNSで団体を離脱することを明らかにした。

詳しい理由は分かっていないが、30日には香港版の「国家安全法」が可決されていて、団体に残ることで自分や他のメンバーが逮捕されるリスクを避けるための決断という可能性もある。

Open Image Modal
黄之鋒さん(左)と周庭さん(右)
時事通信社/Fumiya Takahashi

■「避けることができない決定」

周庭さんは30日、自身のTwitterとFacebookで脱退する意向を明らかにした。

周さんは日本語で「これは重く、しかし、もう避けることができない決定です。 絶望の中にあっても、いつもお互いのことを想い、私たちはもっと強く生きなければなりません。 生きてさえいれば、希望があります」などと綴った。

周庭さんは「デモシスト」のメンバーとして、堪能な日本語を活かしてSNSや講演などで、香港の現状を日本に伝え続けていた。

同じく、黄之鋒さんもTwitterとFacebookで脱退を表明。「私たちの声がすぐに届かない場合は、国際社会が香港のために声をあげ、最後の自由を守ってくれることを望みます」などと願いを託した。

黄之鋒さんは、香港での愛国的な教育導入に反対する学生団体「学民思潮」の元リーダー。デモシストでは秘書長の立場にあった。

2人は脱退の理由を明らかにしていないが、黄之鋒さんはFacebookで30日に可決した「国家安全法」について「世界の目は、安全法が施行されたあとの私個人の状況にも注がれています。この地上から消し去られるまで、故郷である香港を守っていきたいです」などと言及しており、脱退は、団体に残ることで、自分や他のメンバーが逮捕されるリスクを避けるための決断という可能性もある。