米スターバックスは現地時間6月28日、すべてのソーシャルメディアでの広告掲載を一時停止すると発表した。
同社は、声明で「ヘイトスピーチの拡散を阻止するために、メディアパートナーや公民権擁護団体と議論を続ける」と説明している。
なお、CNBCの報道によると、動画投稿サイト「YouTube」は、同社の広告掲載停止の対象にはならないという。
アメリカでは、Facebookでの広告掲載を一時停止するよう呼びかけるキャンペーン「#StopHateForProfit」が行われているが、Facebook以外のソーシャルメディアからも広告を引き上げる大手企業が出てきている。
コカ・コーラ「世界にもソーシャルメディアにも人種差別の場所ない」
27日には、米コカ・コーラがソーシャルメディアへの広告掲載を少なくとも30日間は停止すると発表した。同社のCEOジェームズ・クインシー氏は、「世界にもソーシャルメディアにも、人種差別の場所はない」とし、停止の期間に各ソーシャルメディアの広告ポリシーを再評価し、修正が必要か判断するという。メディアパートナーに対しては、「説明責任と透明性の向上」を求めた。
また、オランダとイギリスに拠点を置くユニリーバも26日、Facebook、Twitter、Instagramでのアメリカ向け広告の掲載を、少なくとも今年末まで停止すると声明を出した。アメリカ国内で、「二極化された選挙期間が続く中、分断とヘイトスピーチのためにまだやるべきことは残っている」とし、各ソーシャルメディアに対し、さらなる対応を求めている。
Facebookボイコットから始まった
アメリカ・ミネソタ州で5月に黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人の警察官に首を押さえ付けられ死亡した事件を受け、抗議デモが各地に拡大。抗議デモの一部は、暴徒化している。
これに対し、ドナルド・トランプ大統領は「略奪が始まれば発砲も辞さない」とTwitterに投稿すると、同社は「暴力の賛美についてのルール」に違反したとのラベルを表示させた。
一方、ロイター通信によると、Facebookはトランプ氏のメッセージに対して対応を取らず、社内外から批判が噴出。全米黒人地位向上協会(NAACP)や公民権擁護団体などが、広告主に対して「#StopHateForProfit」を開始。同社に対し、「人種差別的、暴力的で、虚偽だと検証できるコンテンツの横行を長い間容認してきた」などと主張している。
このキャンペーンに参加する形で、アメリカでは多くの企業がFacebookから広告を引き上げた。それに対し、FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は、26日、不適切な投稿や広告の対策強化を表明した。
このFacebookの対策強化に対し、「#StopHateForProfit 」主催団体らは、ヘイトスピーチを問題視しているのに、それについてはほとんど言及されていないと指摘。その上で、「Facebookがこの問題を真摯に受け止めていればやるべき10のステップ」をキャンペーンサイトに掲示した。