富川悠太アナが報ステ復帰 「『休むわけにいかない』という思い込みが、他人への感染リスクを高めた」と反省【新型コロナ】

新型コロナウイルスに感染し、番組出演を休止していたテレビ朝日の富川悠太アナウンサーが、ニュース番組「報道ステーション」に約2か月ぶりに復帰した。
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テレビ朝日の富川悠太アナウンサー
報道ステーション公式サイト

テレビ朝日の富川悠太アナウンサーが6月4日、新型コロナウイルスの感染を理由に出演を休止していたニュース番組「報道ステーション」に復帰した。出演は約2か月ぶり。富川アナは番組の冒頭で、「感染拡大の防止を呼びかけていたにもかかわらず、番組内に私を含め5人の感染者が出てしまいました。改めてお詫びを申し上げます。そして視聴者の皆様からは多くのお叱りの言葉をいただきました。一つひとつ真摯に受け止めます」と述べた。

 

■感染経路、「思い当たる節はありません」

この日の放送では、富川アナが4月初旬の体調の変化や行動範囲、社内報告の経過などを振り返った。宴会や懇親会には参加せず、東京都から外出自粛が要請された3月28日以降は自宅と会社を往復する毎日で、通勤にはタクシーを利用していたという。「この間どこで感染したのか、思い当たる節はありません」と打ち明けた。

一方で、熱っぽさを感じて検温した際に38度台になったり、36度台に下がったりを繰り返していたという。「倦怠感も息苦しさもないが、ちょっと熱っぽい」などとチーフプロヂューサーに相談していたが、番組出演を続けた。富川アナは「振り返ってみますと、短時間とはいえ2日で2度も38土台に熱が上がっていましたけれども、正確に報告せずに番組への出演を続けてしまいました。この判断が間違っていたと思います」と話した。

 

■放送直前、打ち合わせはマスクせず

この日の放送では、「報道ステーション」内でどのように感染が広がったのかも検証した。番組では、3月に入ってから、夕方に行っていた出演者との打ち合わせを広い会議室に変更するなど、段階的に対策を講じていたと説明。

ただ、4月初めまでの放送直前の打ち合わせは、隣の席との距離が近いフロアで行われていた。この他、出演者はメイクを済ませているため、マスクを着用していなかった点を挙げ「感染防止が徹底できていないと考えられる時間帯があった」と結論づけた。

今回の番組内感染を受けて、打ち合わせは全てテレビ会議に変更した。「出社組」と「テレワーク組」に分けたり、作業場所を分散させたりして感染拡大の防止策を取っているという。

 

■「距離を取って接触を減らすことが何よりも大事」

 今回の件を踏まえ、富川アナは自身や番組の対応の反省点を報告した。

「私自身のことですが、短時間であっても、発熱を軽視しないことです。番組のリニューアルに当たりまして『自分が休むわけにはいかない』という勝手な思い込みが、結果的に他の出演者や番組スタッフ、その家族への感染リスクを高めてしまいました。

番組としても正確な体調把握ができていませんでした。コロナウイルスの症状は多岐にわたっていて、番組で感染が確認された5人も全て症状はバラバラでした。息切れ、せきなど発熱以外の症状であっても、少しでも異変があれば、休む・休ませるの判断が必要でした。

密になる環境を最優先でなくすこともできていませんでした。放送直前の打ち合わせは近い距離で行っていました。感染経路は分かっていませんが、少なくとも感染した5人と社会的距離を取っていたスタッフから感染者は出ておらず、距離を取って接触を減らすことが何よりも大事だということを改めて実感しました」と振り返った。

また、医療従事者に対して「入院中、私は命の危険と隣り合わせで働く医療関係者の皆さんのお姿を目の当たりにしました」と敬意を示した。