人気俳優のジャッキー・チェンさんら、香港の芸能関係者や関連団体は6月1日までに、中国への反逆行為などを禁止する香港版国家安全法へ賛成する意向を表明した。
チェンさんの署名も入った声明では「国家の安全の穴を塞ぎ、自由な創作活動と業界の発展を保証するものだ」などとしている。
■先頭に名前が
中国への反逆行為などを取り締まる香港版国家安全法は、5月28日に閉幕した中国の全人代で導入が決まった。今後立法作業が進む見込み。
これに対し、香港の芸能関係者や関連団体は29日、国家安全法の制定を支持する声明を発表。共産党機関紙・人民日報によると、声明は「国家の安全の穴を塞ぎ、自由な創作活動と業界の発展を保証するものだ」などという内容で、署名欄の先頭にはチェンさんの名前が記されていた。
チェンさんは中国の国政助言機関・全国政治協商会議の委員も務めている。
去年発生した香港の反政府デモの際にも、中国国旗の「五星紅旗を守ろう」という趣旨のネット上のキャンペーンに参加。国営放送・CCTVのインタビューで「香港が落ち着きを取り戻すよう願います」などと話していた。
■「中国寄り」批判も
チェンさんのこうした姿勢に、香港の民主派からは批判の声も上がっている。
民主派団体「デモシスト」のメンバー、周庭(アグネス・チョウ)さんはTwitterで「中国に反対すると中国の仕事が全部なくなるので、ほとんどの香港の芸能人は中国寄りの姿勢を表明しないといけない」と指摘した。
また、中国のSNSでは、チェンさんのものとみられる動画メッセージも投稿されている。
動画の詳しい出所は不明だが、チェンさんとみられる男性が、カメラに向かって「わたしは香港を愛する中国人です」「少数の香港独立分子が私たちの家庭や香港を壊しています。今回の国家安全法は個人として支持します」と話しかけ、「香港の繁栄と発展のために、少数の香港独立分子に団結して対抗すべきです」と呼びかける内容となっている。