東京都の小池百合子知事は、5月29日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業要請などの段階的緩和について、6月1日午前0時からロードマップの「ステップ2」に移行すると発表した。
「ステップ2」では、劇場やショッピングモール、学習塾、スポーツジムなど幅広い業種の営業を認める。また、100人までのイベントも開催可能となる。
小池知事は、「ステップ2」への移行について、休業要請などの緩和・再要請を検討するための7つの指標を挙げ、モニタリング指標の数値を下回っていること、また28日に行った感染症対策審議会の委員から、「移行を承諾する」という意見をもらったことなどをふまえて総合的に判断したと説明した。
東京都は、5月25日に緊急事態宣言が解除されてから、新規感染者数が、26日は10人、27日は11人、28日は15人と増加傾向にある。小池知事はこの数値について、「第二波への警戒が高まっています。ここ数日発表されている感染者は、若い方が増えており、夜の繁華街との関係も調査されている。今後の感染者の動向についてはしっかり注視していかなければならない」と、見解を述べた。
また、小金井市にある武蔵野中央病院では、5月28日までに職員4人と病棟患者5人のあわせて9人が新型コロナウイルスに感染したことが発表されている。このことについては「病院や高齢者施設での集団感染が、数字を大きく膨らませてしまう。逆に言えば、そこを対策していけばよいということであります。ロードマップの中では、第二波に備えて検査・医療体制の準備を進めており、院内等の感染防止対策も大きな課題として掲げております」と話し、院内感染の防止徹底を強調した。
さらに、「ステップ2」への移行発表とあわせて、小池知事は「ウィズ コロナ宣言」も行った。
現時点では、有効な治療薬やワクチンの実用化がされていないことにふれ、「この状況が改善されない限り、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ手立ては、結局のところ私たちの強い意志と行動のみとなるわけであります。ウイルスとの戦いは長期に渡ると見込まれることから、我々は否応なく新型コロナウイルスとともに生きていかなければならないと、認識しなければ。そこで、コロナと共に生きていく『ウィズ コロナ宣言』を行いたいと存じます。『ウィズ コロナ』という考え方は避けられない現実として、共通認識を持っていく必要がある」と話し、今後はワクチンや薬の研究開発や、検査・医療体制の整備をサポートすると表明した。
また第二波については「厳重に備えていく」と改めて強調し、「私はいつも『備えよ、常に』をモットーだと申し上げてきましたが、これからもその精神をもとに、都政と感染拡大の防止に、しっかりとおつとめできるようにしていきたいと考えています」と述べた。