ゲイ男性を主人公にした短編アニメ『Out』をピクサーが発表。「両親へのカミングアウト」を描く

配信サービス「Disney+」でリリース。ピクサーの作品にはこれまでも同性愛者のキャラクターが登場していたが、いずれも主役級の扱いではなかった。

ディズニー傘下のピクサー・アニメーション・スタジオが、ゲイの男性を主人公にした短編アニメ『Out』を、配信サービス「Disney+」でリリースした。

ゲイ男性が、両親へのカミングアウトを考える

ピクサーは、『トイ・ストーリー』や『Mr.インクレディブル』シリーズ、『リメンバー・ミー』『2分の1の魔法』などの人気作品を送りだしてきたアニメーションスタジオで、2006年にウォルト・ディズニー・スタジオに買収された。

『Out』の予告編は、主人公のグレッグが新居に引っ越してくるところから始まる。彼は、ゲイであることを今日こそ両親にカミングアウトしようと考えていたところ、両親がサプライズで訪問。グレッグはとっさに恋人・マヌエルとの写真を本の間に隠す。愛犬はその写真を目のつかないところに移動させるが、母親に見つかってしまいそうになり…。

公式サイトには「愛犬の助けと少しの魔法で、グレッグは自分には何も隠すことはないと気づく」と書かれている。

監督は、『ファインディング・ドリー』などにも参加しているスティーブン・クレイ・ハンターが務めており、リリース後の反響を受け、「私たちのこの小さな映画に、愛をありがとう!」とTwitterに投稿している。

ピクサーの作品では、『2分の1の魔法』や『トイ・ストーリー4』などに同性愛者のキャラクターが登場していたが、いずれも主役級の扱いではなかった。今回『Out』で初めて、主人公としてそのストーリーを描いたとみられる。

 

ピクサーによる新プロジェクト「SparkShorts」

『Out』は、ピクサーによる新プロジェクト「SparkShorts」の一環として制作された。このプロジェクトは、新しい作家の発見と技術の模索を行い、制作における新たなワークフローを試みるためのもの。ジム・モリス社長は「ピクサーがこれまでに成し遂げてきたものとはまったく違い、個々のアーティストのポテンシャルを開放する機会を与え、通常よりも小さなスケールで、彼らの個性溢れる映画作りを支援します」とコメントしている。

「SparkShorts」は、7つの作品があり、作品の一部はYouTubeでも公開されている。そのうちのひとつ、男性のみの職場に主人公のピンク色の毛糸が入社するというストーリーを描いた『Purl』などが話題を呼んでいた。

「Disney+」は、2019年11月にアメリカでローンチされ、5月4日の時点で、契約者数が5450万人に達したと発表された。日本では6月から展開される予定だ。