黒川検事長、産経記者・朝日社員と『賭けマージャン』報道で辞任の意向 朝日新聞社が謝罪

緊急事態宣言下に「賭けマージャン」をしていたと報じられました。
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黒川弘務東京高検検事長
時事通信社

緊急事態宣言下に賭けマージャンをしていた疑いがあると週刊文春に報じられた東京高検検事長の黒川弘務氏が辞任する意向を固めたと、5月21日、共同通信などが報じた。

黒川氏をめぐっては、安倍政権が1月末に特例的に定年の延長を閣議決定しており、検察官の定年を65歳に引き上げる検察庁法改正案とあわせて批判が相次いでいた。

週刊文春デジタルによると、黒川氏は5月1日と13日、産経新聞社会部記者の自宅マンションで賭けマージャンをしていたという。賭けマージャンには朝日新聞の元検察担当記者も参加していたと報じられた。マージャンを終えた黒川氏は、産経新聞の記者が手配したハイヤーで帰宅したという。

 

産経新聞と朝日新聞がコメント

産経新聞社は5月20日、週刊文春の報道を伝える記事に、東京本社編集局長の見解としてコメントを掲載。記者の取材源や取材経緯などは「取材源秘匿の原則にもとづき、一切公表しておりません」として、報道の事実関係は認めなかった。一方で、「その取材過程で不適切な行為が伴うことは許されないと考えています」とコメントした。

朝日新聞社は、週刊文春の報道を伝える記事に「広報部の話」として、お詫びを掲載した「勤務時間外の社員の個人的行動ではありますが、不要不急の外出を控えるよう呼びかけられている状況下でもあり、極めて不適切な行為でおわびします」と謝罪した。

▼産経新聞社のコメント全文

井口文彦・産経新聞東京本社編集局長見解 今回の文春報道で、産経新聞は文春側から、社会部記者2人が黒川弘務・東京高検検事長と賭けマージャンをしていたことの確認を求める取材を、18日午前に受けました。

産経新聞は、報道に必要な情報を入手するにあたって、個別の記者の取材源や取材経緯などについて、記事化された内容以外のものは取材源秘匿の原則にもとづき、一切公表しておりません。

取材源の秘匿は報道機関にとって重い責務だと考えており、文春側に「取材に関することにはお答えしておりません」と回答しました。

ただし、本紙は、その取材過程で不適切な行為が伴うことは許されないと考えています。そうした行為があった場合には、取材源秘匿の原則を守りつつ、これまでも社内規定にのっとって適切に対処しており、今後もこの方針を徹底してまいります。

▼朝日新聞社のコメント全文

東京本社に勤務する50歳代の男性社員が、黒川氏とのマージャンに参加していたことがわかりました。金銭を賭けていたかどうかについては、事実関係を調査して適切に対処します。社員はかつて編集局に所属していた元記者で、取材を通じて黒川氏と知り合い、編集局を離れてからも休日や勤務時間外に飲食などをしていたと話しています。勤務時間外の社員の個人的行動ではありますが、不要不急の外出を控えるよう呼びかけられている状況下でもあり、極めて不適切な行為でおわびします。