劇場アニメーション『若おかみは小学生!』が、5月16日午後3時25分からNHK Eテレで放送されます。
本作は、青い鳥文庫(講談社)から刊行され、累計300万部のベストセラーとなっている令丈ヒロ子氏さんの同名小説を原作としたアニメーション映画。
スタジオジブリの作品『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』などの作画監督としても知られる高坂希太郎さんが監督を務めました。2018年9月に劇場公開され、ネット上の口コミによって異例のヒットを遂げ、その年の話題作に。
本作の見どころポイントと、ヒットの理由についてご紹介します。
『若おかみは小学生!』はどんな物語?
主人公は、交通事故で両親を亡くし、祖母の温泉旅館・春の屋で暮らすことになった小学6年生の女の子・おっこ。ユーレイのウリ坊やライバルの秋野真月に助けられながら、次々とやってくる風変わりな客をもてなすために毎日奮闘し、おっこの心が再生する様子を描いています。
青い鳥文庫の有名作品であることから、小・中学生を中心に原作シリーズは人気が高く、コミック化やテレビアニメ化もされていました。
劇場版で脚本を務めたのは吉田玲子さん。吉田さんは、『ドラゴンボールZ』でデビューした脚本家で、『おジャ魔女どれみ』シリーズや『おじゃる丸』などにも参加。
近年は、京都アニメーションの『映画 聲の形』『リズと青い鳥』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』や、湯浅政明監督の『夜明け告げるルーのうた』『きみと、波にのれたら』などを手掛けており、多くのヒット作品を送り出しています。
なぜヒット? 新海誠監督も絶賛
子どもをメインターゲットとした小規模な作品であることから、公開当初上映スクリーンの数は多くはなく、興行成績も芳しくありませんでした。しかし、じわじわとネット上で口コミが広がり、作品に魅了された人々がTwitterに感想を投稿したことで、継続的な盛り上がりが生まれました。
また、そのことにより「子どもだけではなく、全年齢を対象とした作品」であることも広く認知され、興味を持った人が多かったのではないでしょうか。何度も劇場に足を運ぶ「リピーター」もいました。
新海誠監督も自身のツイートで「幾度も笑わされ、何度か泣かされました」と投稿しています。
日本公開前には、フランスの『アヌシー国際アニメーション映画祭』でも上映され、この映画祭定番の、高揚した観客による「紙飛行機」が飛び交うほどの盛り上がりに。会場は満員御礼、上映後も拍手喝采となるなど、国際的にも高く評価されたアニメーション作品です。